2021年11月16日火曜日

クアッカワラビーに学ぶ幸せ術



クアッカワラビーという動物がいます。
オーストラリアに生息する有袋類で、通称『世界一幸せな動物』と呼ばれ親しまれています。
通称の理由はその表情。クリっとした瞳とクイっと上がった口角、それに人を警戒しない懐っこさもあいまって観光客にも人気の動物だそうです。確かにとても愛嬌のある満面の笑顔のように見えます。彼らが実際楽しい気持ちでいるのかどうかは彼らにしかわかりませんが。

さてそんな話題から今回は『笑顔』についてお話ししようと思います。
笑顔でいると自然と気持ちが明るくなって楽しくなる、そんな効果を聞いたこと、または実感したことのある方も多いのではないでしょうか。
これ、斜に構えた解釈をすれば脳を騙して楽しい気にさせていると言うことで、もう少し詳しく解説すると快楽に関連する神経伝達物質であるドーパミンが笑顔の表情筋に反応して活性化する、という人体の機能っぽくてなんとも味気ない理由なのですが、結果的に楽しい気持ちになれるのならいい方法だと思います。
そして逆に、しかめっ面をしていると本当に不幸な気持ちになってくる。人間ってそういうものです。

人体の機能的なものだけでなく認知的な要因も含めるのなら、
笑うことで気持ちが楽しくなれば、自然と見える景色も変わってきます。たとえ現実は変わらなくても楽しいというフィルター越しに見た世界はきっと楽しげなものでしょう。案外楽しみなんて捉え方次第で何からでも見出せるものなのかもしれません。

スタートは嘘でも笑顔でいたらいつのまにか本当に楽しくなってきた、そう考えるとそれはもう立派なセラピーと言っても差し支えないのではないでしょうか。
実際カウンセリングでも、現在進行中で抱えている問題があるのだけれども、そのことをテーマにするのではなく気分転換に楽しい話をしたい、そんな希望をされる方も少なからずいらっしゃいます。
それってカウンセラーである私としてはとても素晴らしい考え方だと思ってるんですよね。
というのも、状況や物理的に今すぐの完全解決が望めない悩みに対してストレスを溜め込んでしまうのではなく、解決のチャンスが訪れるまで待つという選択も一つだと思っています。
「時間が解決してくれる」なんて私の立場が言ってはいけないことかもしれませんが、時間でしか解決できない悩みがあるというのも一つの真理だとも思うのです。
とはいえその時間を悩み苦しみ過ごすというのは精神的な負担が大きすぎてもたない、もしくは副次的な症状が起きてしまうこともあります。
例えば、心配事で寝つきが悪くなり、不眠になってしまい精神症状を引き起こすなどです。
そうならないために、強制的に楽しい気分にすることで気持ちをリセットして、直面しても解決できない悩みから一時的に目を背けてやり過ごすというのも、解決に向かった積極的な行動の一つだと言えるのではないかと考えます。
しんどい時や辛い時は、とりあえず笑うを目標としてみると、なにかしらの糸口が見えてくるかもしれません。 


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2021年11月1日月曜日

秋の空模様はまるで恋心のように移ろいやすい


 

11月に入りました。最近めっきり寒くなってきましたね、と思えば汗ばむほどに暖かい日もあったり。気候の定まらない寒暖差が激しいこの時期は自律神経が影響を受けがちなので体調管理には気をつけてくださいね。

安定しない大気模様を例えて『女心と秋の空』などと申します。
ですが、心が移ろいやすいのは女性だけに限ったものではありません。
というよりこの諺は元々は『男心と秋の空』という男性の浮気心を例えた諺でした。明治時代に時代背景やイギリスの諺の影響を受けて『女心~』が派生したようです。
本来は浮気心を例えた諺でしたが、だんだんと喜怒哀楽全般の情動に意味が広がっていったことから、男性に比べて情動表現が豊かな傾向のある女性のイメージになっていったのかもしれませんね。

さて、うんちくはこのくらいにして、本来恋心も含めて男女関係なく人の心というのは移ろいやすくコロコロと変わるものだということが言いたいわけです。
好きだったものが嫌いになったり、やりたいと思っていた事がやりたくなくなったりと、そんな経験は誰しもあるでしょうし他人のそんなところを見たことだってあるのではないでしょうか。
そういったコロコロと変わる気持ちをストレートに表現すると、不安定やわがままに思われてしまうかもしれないので我慢をしてしまうことも多いですが、素直な気持ちというのは案外一貫性がないものなのかもしれません。

一貫性がないことを意志が弱いとか自分勝手だとか考える方もいるかもしれませんが、ある意味それは自分の心に正直でいられているということでもあります。無意識なんて葛藤や矛盾や相反する感情などが当然のように同時に存在していますしね。

カウンセリングでは、その時によってコロコロ変わる感情にも寄り添っていくことによって、気持ちの積み残し・やり残しなどのないように処理していくという関わり方も大切な役割です。

そしてこれは感情だけでなく価値観などにも同じことが言えます。
その人の人生観の土台となっているような強い価値観だったとしても、生涯変わらず持ち続けるというわけでもありません。出来事や経験などによって価値観も日々変わっていきますし、持っていることで不具合を起こすような価値観であれば積極的に変えることも時には必要です。
大きな価値観を変える(捨てる)と自分が変わってしまうのではないか、そんな抵抗を感じる方も少なくないのですが、変わってしまうのではなく新しいものを取り入れると考えれば、それは『変化』ではなく『成長』として納得できるのではないかと思います。
価値観を広げる、という言い方もできるかもしれませんね。

人が生きるということは変わるということでもあり、瞬間瞬間で全く同じ自分というのは存在しないと言ってもいいでしょう。
自分を変えたい/変わりたいと思っているのであれば、全てを変えてしまうのではなく、どこをどのように変えたいのかを明確にすることで、より効率的に理想の自分に成長することも可能だと思います。


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