2017年1月29日日曜日

心理カウンセリングが効果的に進む秘訣とは ②



前回から少し間が開いてしまいました。
(前回の記事→心理カウンセリングが効果的に進む秘訣とは ①

ということで、心理カウンセリングの効果を最大限発揮するための秘訣は

クライエントが自分の感情・気持ちを自由に表現できること。

これに尽きるでしょう。
言葉にすると単純ですが、これがカウンセリングの目的と言っても過言ではないほど大切なことです。

心の声を素直に表現するというのは意外に難しいものです。
日常生活では色々なものが、我々に素直でいることを邪魔します。
そしてその状態が続き、ありのままの自分でいられなくなった時、心は疲弊し問題が起きやすくなります。
時にはそれは、症状として出ることもあり、人間関係の障害になることもあり、行動の障害に出ることもあり、自身の心の苦痛として感じることもあります。

前回、解決にはタイミングが訪れる必要があると述べました。
そしてそのタイミングは無理やり引き出せるものでもないともお伝えしました。
それと同じです。
素直な本音、ありのままのその人の気持ちも無理やり聞き出せるものではありません。
クライエントさんも好きで言わずにいるわけではないのですから。
自分の『心の奥の声』が自分で聞けなくなってしまっている状態こそが、心にとって一番ストレスフルな状態なのです。

心理カウンセリングの序盤では、多くの方が自身の悩みや大変な状況を語ってくれます。
そんな時、カウンセラーに理解しやすいように一生懸命考えながら話をしてくれます。
しかしカウンセリング進むにつれて、だんだん気持ちが抑えきれなくなってきます。感情がどんどん湧き上がってきます。
そうなると、自分でも思っていなかった言葉が飛び出したり、涙が溢れてきたりします。
それが、自分の気持ちが真っ直ぐに表現できたという事。

でもここで疑問がありますよね。
自分の心に本当に素直に表現できているか、をどう判断するのか。
まさか、カウンセリング中にうそ発見器をつけるわけにもいきません。
(まぁ、本人にも無自覚なのでうそ発見器も反応しないでしょうけどね。)

その答えは簡単です。
素直に表現できた時、他ならぬ本人がそれを自覚できるからです。
その感覚は人それぞれですが、

悩ませてた問題の解決が思いついたり。
引っかかっていたモヤモヤした気持ちが消えたり。
悲しみや怒りなど自分を苦しめていた感情が解消されたり。
迷っていた答えがすんなり決められたり。
目の前が明るくなったり。
体が軽くなったり。

そんな感想をこれまで私は聞いてきました。
ただ、自分の気持ちに素直になるだけでそんな奇跡的な変化が起きる瞬間を、これまで何百と目の前で見てきました。

そして、我々カウンセラーにもその瞬間は感じられます。
頭で考えた、用意した言葉でないことを語り始めたら、
それまでに比べてクライエントさんの言葉が胸に響くように感じられます。

なんでもない言葉であっても、その人にとって心が込められた言葉は、聞いている我々の心にも響くものです。
クライエントさんがそんな風に、自分のことを素直にありのまま表現できるよう、我々カウンセラーは様々な技術と知識、そして真っ直ぐ向き合った心を携えて関わります。
そして、何が表現されても我々は決して否定することなく受け止めます。

正しいか正義かは判断する必要はありません。
その判断は、クライエントさんが自ら行うべきものです。
ですから我々カウンセラーは、クライエントさんが自分のありのままと向き合うことの援助とも言えるでしょう。

その過程で、人は癒され、解放され、強さを取り戻し、自分の人生を生きることができるようになります。


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2017年1月20日金曜日

心理カウンセリングが効果的に進む秘訣とは ①


さて、前回の記事では、
心理カウンセリングの回数について、を書きました。

今回は『効果的なカウンセリング』についてです。
心理カウンセリングを効果的に進めるには、いくつか気を付けなければならないことがあります。

そのうちで最も重要な禁忌。
それは『心理カウンセリングの無理強い』。

文字通り、本人が望んでいないのに無理にカウンセリングを受けさせること。
これは効果がないどころか逆効果ともなります。

クライエントさんが抱えている問題の解決に至るまでに、『困難な課題』や『勇気』が求めららる場合もあります。
それらに立ち向かう事を、カウンセラーの都合で押し付けてしまうことは、クライエントにとって大きな抵抗が起きます。
頭ではわかっていても困難に立ち向かうのには心の準備が必要です。

その準備が整っていないのに、解決を焦らせてしまう。
下手をすると、クライエントが解決に向かう意思すら挫いてしまう事もあります。

では、そのタイミングはいつ訪れるのでしょうか。
それは、クライエント次第です。
とはいえ、そのタイミングは他者が無理やり引き出すことはできません。
極端に言えば、そのタイミングがクライエントに訪れるまでは、解決の機会も訪れないと思ってもよいかもしれません。

解決するのはカウンセラーではありません。
解決できるのも、そもそも解決を『実感』できるのもクライエントのみなのです。
我々カウンセラーが、よかれという状態に持っていってあげたところで、それはカウンセラーの自己満足でしかありません。

しかし、ただ待つのではあまりに無責任でしょう。
それならカウンセラーなど始めから必要ありません。

我々カウンセラーは、そのタイミングが早く訪れるよう促進させ、逃さないように、更にタイミングが訪れた時には全力でサポートをします。
そして同時に、問題と向き合うい、乗り越える準備が整う為の援助も必要です。

解決に向かうための『心のエネルギー』を溜めるために、
アドバイスをもらったり、心から受け止めてもらえたり、認めてもらえたり、ありのままを承認してもらう経験は、心の栄養となります。
そうして、弱ってしまった心を元気にして、来たるべき頑張り時にクライエントは自分の解決に向かってゆけます。

解決のタイミングはクライエントに委ねられています。
しかしそのタイミングを促進したり援助することは可能なのです。

クライエントが解決に向かうための心のエネルギーを蓄えること。
そして訪れる、解決のタイミングを促進させること。

一人で悩んで解決できない時に必要とされるカウンセリングですが、
カウンセラーだけでは解決に至れません。

解決しようという気持ちを持ったクライエントと、
それをサポートし、手助けし、援助するカウンセラー。
二人で協力することが、効果的なカウンセリングの先ず一つ目の条件となります。

さて、続きはまた次回にしましょう。


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2017年1月18日水曜日

カウンセリングは何回受ければいいのか


さて、久しぶりに心理カウンセリングについてがっつり語ってみようかと思います。
クライエントさんからこのような質問を受けることがしばしばあります。
「カウンセリングは何回受ければいいの?」

聞かれればこうお答えするしかありません。
「あなたがカウンセリングが必要ないと思ったら、その時が終結です」

無責任な答えに聞こえるかもしれませんが、それが我々の素直な答えです。
カウンセリングの終結と言っても、その形は様々です。

『抱えていた問題が現実的に解決する』
例えば、症状が治まることであったり、
人間関係が改善することであったり。
そういった目に見える解決の姿はわかりやすいかもしれません。

しかし、逆に言うと
症状が治まったからといって、本質的な問題が解決したことにはならないことだってたくさんあります。
また、症状は治まっていなくても、今後の希望的な展開が見つかればそれで解決と感じるかもしれません。

つまり、『何が解決なのか?』は我々カウンセラーではなく、クライエントさん本人が決める必要があるという事です。
クライエントさんが納得していないのに、
「これで解決ですね」と突き放してしまってはカウンセラー失格です。

ですから我々は、具体的な『解決の姿』をクライエントさんに伺い、その実現を目指します。

とはいえ、やっぱりカウンセリングに通う目安というのは欲しものですよね。

心理カウンセリングにはたくさんのアプローチ法があります。
その中に『短期療法』というものがあります。
名前の通り、比較的短期間で治療の終了が期待できる療法です。
その短期療法で、だいたい10回前後のセッションが終了の目安とされています。

でも実際は、もっとフレキシブルで流動的なものです。
ストレス解消の愚痴吐きや、状況整理が目的のカウンセリングなら、ある程度終結を感じられるのに2~3回でよい場合もあるでしょう。

特定の目標や課題、改善することが明確になる場合は、もう少し回数が必要かもしれません。
なぜなら、改善や課題達成とは、カウンセリングの中で起きるのではなく、
カウンセリングで得たことや扱ったことが、日常で活かされて初めて解決・達成となるわけですから。
カウンセリングと日常を往復することで、日常での変化を確かめてゆく必要があります。

そんな時に注意しなければならないのは、
「解決した(できる)気になって終了」というパターン。

どうしても心というのは目に見えないものなので、
「なんとなく」
という不確かなものが付きまといます。
その「なんとなく」を日常に実現できる事が、目標達成や問題解決には不可欠になります。

「一度のカウンセリングですっきり」
とはなかなかいかないもので、継続が必要になる場合が多いですが、それでもその継続は我々カウンセラーが強要するもの

では絶対にありません。
ですので私は、継続することが有効ですよ、と伝えることはありますが、
「どうしますか?」と必ず伺います。

無理強いをしても効果的なカウンセリングとはなりません。
クライエントさんのペースを最優先で、我々にできるサポートをご提供します。

という事で今日はこの辺で。
次回は、カウンセリング無理強いは厳禁という事と、カウンセリングが効果的に進む秘訣。
その辺をお伝えしようと思います。

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2017年1月11日水曜日

寒いものいっぱい


今日はまたひときわ寒かったですね。
最大級の寒波襲来だそうで。
でも寒波とか、今年一番の寒さ/暑さとかって、しょっちゅう天気予報で聞く気がしますが、あれってどういう基準なんでしょう。『今年一番』はどんどん更新されていくものだろうし、季節の変わり目には毎日のように『今年一番』があっても不思議ではないですよね。

まぁそれはいいとして。

『寒い』という言葉の使用例は多岐に及びます。

単純に気温が低い時は
「天気が寒い」

金銭的に困窮している様を
「懐が寒い」

寂しい、心細い気分のことを
「心が寒い」

恐怖を感じた時の表現として
「背筋が寒い」

面白くない笑い話や芸に対して
「お寒い空気」

他にも、関西では白けたり、興ざめな人に対して、
「サムいやっちゃな~」
なんて言ったりもします。
ちなみに「さむい」ではなく「さぶい」の方が方言的には適切かも。

本来は気温の状態を表す言葉ですが『寒い』という表現は色々な場面で使われますね。
とはいえ、全く違う使われ方というわけでもなく、何か法則性というか似た雰囲気を感じます。
どの『寒い』も、

「満たされていない」
「足りない」
「寂しい」

というニュアンスが含まれている気がします。
ネガティブな、というと断定的すぎるかもしれませんが、あまりポジティブな雰囲気にはそぐわないようですね。

冬は精神的な落ち込みが増える、というのは以前にもこのブログでお話ししたと思います。
実際、冬の時期は心理カウンセリングの件数が増える時期の一つです。
冬にかけて症状が出る『冬季うつ(季節性感情障害)』という言葉もあるくらいですからね。

理由として、日照時間の変動や気温低下にともなう体温の変動、自律神経の不調などが挙げられます。
そのような身体的、医学的な原因が説明されるはるか以前から、
『寒い』という言葉にネガティブなニュアンスが含まれていたとすると、その節にも真実味が増します。

「寒いと人恋しくなる」
なんていうのも、同じような背景からの表現かもしれませんね。

ともあれ、まだこれから2月にかけて寒くなることでしょう。
ネガティブな気分になってしまったら、
自分を責めたり周囲の人に原因を求める前に、
「今はそういう季節だからなぁ」
と、とりあえず責任を季節のせいにするのも一つの方法です。

そして、無理に解決を焦らずに、落ち込む気持ちを受け入れてみる。
一人で受け入れるのが手に余るなら、我々カウンセラーがお手伝いをすることもできます。

そうすることで、『どうにもならないもの』に対するイライラや焦りを、
一旦脇に置いてみて距離を取ってみることも有効です。
すると意外と解決方法や気分の持ち直し方が見つかることもあります。

時には少し無責任になってみる。
心の安定にはそんな裏ワザも必要なのかもしれません。


※『アツい』も気温以外でもよく使われますけどね。今回は季節的に寒いお話ということで。


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2017年1月9日月曜日

大人と子供の境界線



今日は全国的に成人式が行われたのですね。
栄の街もスーツを着慣れていない若者が楽しそうにしている姿が目につきました。

成人式といえば、奈良時代から続く、元服を起源とした新成人を祝う日本特有の風習です。
つまり、成人式を境に大人として扱われるという儀式です。

しかし、子供から大人になることでどのような変化があるのでしょうか。
大人と子供の境目は一体なんなのでしょう。
社会的、法律的には二十歳というのはひとつの目安なのでしょう。
ですが、「はい、今日から大人ね」と言われても困ってしまいます。

オーストラリアの哲学者、ルドルフ・シュタイナーは人間は『7年周期』成長してゆくという発達特徴を提唱しています。
まず肉体が人間として完成して、それから精神の成熟が行われるというような説です。
(すごくざっくりな意訳なのでご容赦を)

そう考えるとやはり、『精神・心の成熟』というのがキーワードとなるのではないのでしょうか。
大人としての自覚というよりも、一人の人間としての自律。

自律という言葉を私はよく使います。
『自立』ではなく『自律』。

『自立』とは主に経済的、生活的な独り立ちを意味し、
『自律』とは自分の感情、行動に責任を持って行動できることを指します。

責任を持てと言っても、「助けてやらないから一人でやれ」と厳しく突き放すというわけではなく、
他人(主に親)の価値観や指示で人生を決めるのでなく、自分の人生を自分で決めて行くという意味です。

大人だって、周囲の人に助けてもらったり面倒をかけることがあっても構いません。
しかし、
「させられた」「やってもらった」
というのではなく、
「自分で助けを求めた」「望んでやってもらった」
というニュアンスでしょうか。

子供は自分の行動の結果を責任が取れないこともあります。
しかし大人になれば、自分の行動の結果を自分で責任を取ることができます。

そう、責任は『取らなければならないもの』ではなくて『取らせてもらえる』ありがたいものです。
責任を取れるから自分で決めることができ、自分の人生を選ぶことができる。

それが、大人と子供の境界線となるのではないでしょうか。
大人としての自覚を促すための儀式として成人式を捉える。

私自身まだまだ自分の人生の責任を取りきれてはいませんが、これからも本当の大人目指して精進していこうと思います。


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2017年1月3日火曜日

新年ムード


今日は朝から親族の集まりがありまして、
そして夕方からは仕事でした。

珍しく車で職場へ行ったのですが、街の雰囲気がやっぱりいつもと違いますね。
新年ムードといいますか。
年末ムードは街往く人たちの表情が少し忙しそうに感じるのですが、
今日、1月3日は皆少しのんびりとして楽しそうな表情の人がよく目につきました。

そりゃね、今日栄の街を出歩いている人の多くは、仕事でなくて初売りの買い物や遊び目的が多いでしょうし、顔も緩むってもんですよね。

そんな新年ムード漂う街を車中から眺めていると、なんだか私も改めて
「ああ、新しい年が始まったんだなぁ」
なんてしみじみと感じ入っていました。

名古屋 栄カウンセリングも明日、1月4日から今年の予約受け付けが始まります。

去年からの継続のクライエントさんは勿論、
今年新たに出会わせていただくであろうクライエントさんたちにも、
精いっぱいの高品質の心理カウンセリングをご提供できるよう、気合を入れていきます。

今年もきっとたくさんの新たな出会いがあるのでしょう。
一人ひとりを大切に、今年も名古屋 栄カウンセリングは『クライエント第一主義』で頑張ってゆきます。


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2017年1月2日月曜日

新年のご挨拶


昨年中は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。
なにとぞ本年もよろしくご愛顧のほどひとえにお願い申し上げます。

お正月ですね。
元旦は久しぶりに一日ゆっくりと過ごしました。
正月番組を見て、初売りに行って、
なんというか、お正月を満喫したといった感じです。

しかし時の流れというのは本当に早い。
去年のお正月がもう一年前だなんて信じられない。
体感的にはまだ6月くらいな気分です。

去年はとにかく忙しくしていて、気持ちがずっと逸って過ごしていたような気がします。
一日一日を漫然と過ごしがちだったかもしれません。自分の人生を蔑ろにしていたというか。
もっと振り返ったり、自分の人生に思いを馳せたり、一つ一つを、一日一日を丁寧に暮らすこともできたのではないかと。

今年はそれを実践してみようと思います。
仕事は去年よりも忙しくなることが予想されます。
それでも、忙しさに振り回されて日々をこなしてゆくのではなく、
そんな日々の中にも自分のための時間をしっかり意識をしていこうと。

くたくたに疲れ、ベッドに入って眠りにつくまでの僅かな時間でもいいのです。

「明日の仕事は○○だから、まず△△をして……そのあとは……Zzz」

こんな風に明日の予定を考えながら入眠してしまうのではなく、

「今日は○○な一日だったなぁ……。△△な気持ちになったなぁ……Zzz」

こんな風に自分の人生を実感する時間を持つことが、一日の充実に繋がるのではないかと思います。
そしてそれは、来年のお正月になった時、今年一年の充実の実感に繋がる第一歩なのではないでしょうか。

自分の人生を丁寧に生きる。

私の今年の抱負です。

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