2025年5月7日水曜日

ジークムント・フロイドを偲んで

 


めったに更新していないこのブログですが、今日は珍しく語りたくなりまして。

今日と言ったものの、もう昨日のことになるのですが、5月6日はある方の出生日つまりお誕生日です。
その人とは、ジークムント・フロイド(Sigmund Freud)。

言わずと知れたオーストリアの心理学者・神経病理学者であり精神科医です。
フロイドほど心理学関連で知名度のある人物はいないのではないでしょうか。
心理学以外でも美術史にもよく名前が出てきますしね。

たとえ名前は知らなくても、『エス(イド)』『リビドー』『夢分析』などフロイドの提唱した理論は様々な創作物で登場しており、一度は耳にしたことがあるかと思います。

世界三大心理学者の一人でもあり、精神分析学の創始者でもあるフロイドは、
『無意識』の理論や、
『抑圧』による病理モデル、
現代で言う所の『心的外傷(PTSD)』の概念に通じる病因論、
従来の療法を発展・改良させた『自由連想法』、
など、現代の心理学や精神病理学に多大な貢献をした人物です。

ですがその精神分析も、現代の臨床では活用される機会も減っていますし、そもそもその理論自体が、後の時代ではお弟子さんや共同研究者からも否定的に論じられることも少なくありません。
確かに、学問は日々研究が進むわけですから、いくら当時は画期的だったとはいっても時代と共に色褪せてゆくのはある程度仕方ないことではあるでしょう。
長く定説とされていた節が覆されることは他分野でも往々にしてあることです。

実際私個人としても、性理論の偏向の一部には時代的な背景や彼自身の背景などが濃く影響していて若干偏りを感じるのは事実です。

ですが私はやはり、フロイドの精神分析は現代心理学の礎であり、時代遅れの理論ではなく今も欠かすことのできない基礎の一つだと思います。
むしろ後の反対派の発展も、フロイドがいたからこそ生まれたわけで、批判も含めてフロイドの功績と言えると考えます。

とここまで言うと、まるで私がフロイド原理主義で、今も精神分析しか提供しない心理師のように感じられてしまうかもしれませんが、そうではありません。

むしろ私のカウンセリングのベースは『来談者中心療法』という、フロイトの姿勢と対比されることも多い、カール・ロジャーズという人が創始した心理療法です。
また、『認知療法(認知行動療法)』や『ゲシュタルト療法』、
『プロセス思考心理学』、『交流分析』、ミルトン・エリクソン((Milton Hyland Erickson))のアプローチを利用した『短期療法』『家族療法』なども、相談テーマやクライエントによって有効と思われるものを適宜選択します。

そんな私ですが ―― 節操がないと思われてしまうかもしれませんが ―― 臨床の中で理論として精神分析に頼ることがよくあります。

むしろ、他理論を理解する際に、
「あれ、これって精神分析で言う所のあれと近い概念なのではないかな」
などと基準として使うこともあります。
そしてこれって、私は特に心理学を学んでいるとよく起きる現象として、
違う療法理論だし用語は違うのだけれども、同じことを言っているのではないか?
そう感じることが多いんですが、どうなんでしょう。
私の解釈は、登山ルートのようなもの、と納得しています。
つまり、目的は同じ。山なら頂上で、カウンセリングなら解決や症状改善。
でも頂上に上るルートって一つでなく複数ある。
カウンセリングも、方法は一つでなく複数あって、それが療法の違いなのかな、と。
唯一絶対の万能な心理療法があればよいのですが、私は向き不向きや合う合わないがあると考えます。私の実力不足もあるのでしょうが。

確かに精神分析は、今の時代に合わないところもあれば、同意しかねるところもあります。
ですが、人間心理の理解や治療技法としての基礎大系として、心理臨床を学ぶ者にとって大きな知識と力を与えてくれる偉大なものであり続けると私は思います。

フロイドの出生日に追悼の意を込めて。



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2025年1月1日水曜日

新年のご挨拶


謹んで新年のお慶びを申し上げます

旧年中は格別のご愛顧を賜わり厚くお礼申し上げます

本年も当ルーム所属カウンセラー一同、より一層技術の向上に励み、相談者様にご満足いただけるサービスを心がける所存です。

今年も昨年同様のご愛顧をよろしくお願い申し上げます。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈り申し上げます。


というわけで、前回の更新が3月。
長い事ブログを放置してしまっておりました。
もし私の拙い記事を楽しみにしてくださっている方がおられたら、誠に申し訳なく思います。

2024年もあっという間に過ぎました。
元日から震災があり大変なスタートとなりました。
社会、経済でも大きな動きのあった、目まぐるしい一年でした。

そんな私が2024年に掲げた抱負は 『楽に生きる』 でした。
仕事が忙しく、若干頑張り過ぎてしまったなと自覚があったので、無理をせず丁寧に生きてゆこうと、そう一年の目標として掲げたわけですが。

結果は、未達成ですね……。
前年以上に忙しく慌ただしく、一年中働いてしまいました。
今年は年末年始も休暇は設けずに通常営業としましたし。

本当にありがたいことに、カウンセリング問い合わせも提携企業様も年々増えており、一件でも多くお応えするために営業時間を増やすという選択をしております。
もちろん後悔はないですし、相談先として求めていただけることは感謝しかありません。

とりあえず 『楽に生きる』 という目標はいったん置いておこうかと。
そこで2025年の抱負は 『無理し過ぎないように頑張る』 とします。
ずいぶん曖昧な目標ですが、油断してしまうと限界超えてしまうんでね。
2024年も自分の体調不良でご迷惑をお掛けしてしまった事もありました。本当に反省しています。
そんな反省も踏まえて、自分のできる範囲で頑張るという、ただ頑張るだけでなく限界も見極めるという高度な目標を表現してみました。

基本的には2025年も基本的に定休日は設定せず、予約が空いている限りは受け付けたいと思っております。
それでも当ルームは零細企業ですので、予約状況や止むを得ない状況ではご不便お掛けしてしまうことはあるかと思います。
ですが、全力で誠心誠意、皆様お一人おひとりに寄り添ったメンタルヘルスのご提供を心掛ける所存です。

ちょっと堅苦しくなってしまいました。
これまで以上に、皆さまの人生のほんの少しでも手助けのできる存在であれるよう、今年も頑張ります。