今月の21日にカウンセラーの交流会を開催しました。
私が講師をさせて頂いている、日本カウンセラー学院の卒業生・在校生を対象としたイベントでして、大規模な会ではない分参加者の皆さん一人ひとりと関われました。
今回は、テーマを決めてそのテーマについて全員でディスカッションをしたり、全員がこれからの目標を宣言し合うなど、楽しく飲み食いをするだけの場ではなくカウンセラーとしての意識を高めることも目的とした催しとなりました。
参加者の中には、心理職として様々な領域で働いている方もいらっしゃったことから、他職種との連携についての話題もありました。
もちろん、皆さん各領域で活躍されているのですが、ある共通した悩みもあることが語られていました。
それは、多職種との連携の中での心理カウンセラーの役割や立ち位置について。
もっと露骨に言うのなら、
「心理カウンセラーって何ができるの?」
そんな、存在への理解の薄さです。
理解してくれない人たちが悪い!なんて思っている人はその場には一人もいませんでしたし、それが我々の課題であることを自覚しています。
実際、現場での心理カウンセラーの役割として、『各種心理検査の実施を含むアセスメント業務』であれば、比較的明確なものなのですが、『心理カウンセリング』『心理療法』という心理ケアとなると、途端に正体不明のものになってしまうようです。
しかしそれは無理もないことで、心理療法にも理論はあってそれに基づいて行ってはいますが、客観的に理解することは困難で、かつ短期間ではっきりとした形で効果が出ないものも多くあるからです。
だから、心理療法の中でもエビデンス(根拠・結果)が比較的明確な認知行動療法などがメインとなりつつあります。
ですが、精神疾患は治療の効果や過程に個人差が大変大きく、さらに提供する環境などにも大きな影響を受けます。
その結果、非心理職の方たちからは理解が得られ難いということです。
実際私も色々な領域の中で心理カウンセリングを行っている時に、
本人は効果を実感してくれていても、周囲からは「ただ話を聞いているだけなのに」と言われたものです。
では、多職種の中で心理職がどのように自身の能力を発揮するのか。
それは、自分から周囲に認知や理解を求めることが必要となります。
「心理療法とはこのようなもので、このような効果があるのです」
「効果的に提供するためには、このような環境や構造が必要なのです」
「私はこのクライエントさんに、このような意図を持ってカウンセリングをしています」
受け身で理解してもらおうとするのではなく、自分から積極的に自分の役割や能力を理解してもらおうとする働きかけをすることも、様々な領域の中で心理職としての役割を担うものとしての責任なのだと思います。
そのためには、自身の実力に磨きをかける必要もありますし、説明できるよう理論を理解する必要もあります。
心理カウンセリングを提供するとは、求められる場所を自ら作り、求められるだけの力を持たなければならないのだな。
その大切さを改めて感じました。
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