2022年2月14日月曜日

バレンタインデーは素直になれる日


今日2月14日は言わずと知れたバレンタインデー。
近年では義理チョコや友チョコ、マイチョコなんていうものまでずいぶん多様化しましたが、伝統としては愛の告白を伝えるためにチョコレートを贈るというスタイルです。
実はチョコレート会社の広告戦略で日本独特の風習、なんていう野暮はこの際置いておいて、現代では普段の感謝や秘めた好意を伝える日として定着しています。

起源や誰が誰に送るかはどうあれ、こういった普段伝えられない気持ちを伝える機会というのはいいことだと思います。
なぜなら、私たちは気持ちを伝えるという行動にとても高いハードルを感じがちです。
これは特に日本人に強く、だからこそ愛の告白という難易度の高い行動をイベント化したことが日本特有のバレンタインが受け容れられた理由の一つかもしれません。

人間以外の動物は、感情を表現することに躊躇がありません。
身近な犬や猫だって、嫌いな人には牙をむくし懐かないですが、好きな人には全身を使って愛情を示します。
その違いとして大きなものは、知性の高さや感情の複雑さによるものと思われます。

ストレートな感情表現によるリスクを知能が高いがゆえに想像してしまう。
『照れ』『自尊心』などの複雑な感情が煩雑になるがゆえに感情の一本化が難しくなる。

そういった理由で我々人間はなかなかシンプルな感情を伝えることを避けてしまいがちです。
ちなみに動物も知能の高いものは観察していると人間に近い複雑な感情を持っていると感じ取ることもできますけどね。ここではそれもひとまず置いておきましょう。

話を戻して。
そういった人間固有のある意味進化した感情体系は、高度な社会性の為に必要なものではありますが、時に必要以上に複雑で不具合を引き起こしてしまうこともあります。

例えば、
世間の常識から外れることを恐れて生き辛い状況を我慢してしまう。
他者からの評価が気になってありのままの自分でいられない。

そんな状態に慣れてしまうことで、だんだんと本当の感情を隠すことが無自覚に当たり前になってしまう。

精神分析理論の概念である『抑圧』は、自身の欲動・衝動などを意識から締め出して表出しないよう押し留めることとしており、抑圧が神経症などの症状を引き起こすと考えます。
自由で素直でいられたらいいのですが、そうは出来ない状態が続くことで精神的に不具合が出てしまうということですね。

感情を抑えるというのは、しないでいられるならそれに越したことはないのですが、なかなかそうはいかないのが社会というものなのでしょう。だからこそバレンタインデーのような「この日は素直になっていいんだよ」という免罪符も必要なのではないかと思います。

そしてカウンセリングという場もその一つだと私は考えます。
イベントの日だけでなく、カウンセリングの空間の中では普段抑圧している感情や観念を表現することが許された場所であり、そうして自分の本心と向き合うための場所であると。
私たちカウンセラーは、社会の常識や個人の価値観で他者を評価したり否定したりすることはしません。
ただそこに存在して、ありのままのクライエントさんに興味を持って寄り添います。
そうすることで、少しでも自分らしさを出すお手伝いとなることも、心理療法やアドバイス以上に大切な存在意義だと考えています。


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2022年2月1日火曜日

試験の緊張対策



気が付けば2月になりました。
ついこの間正月だったのにもう1月も終わりましたか、いやはやほんとに月日が経つのは早い。
実は私、今年は恒例にしている初参りに未だに行けていないんですよ。
こんな時勢なのでね。いつ行けるのかわからないですが、早く気兼ねなく出かけられる日常に戻ってもらいたいものです。

さて、愛知県の私立高校は一般入試が2月1日と2日の二日間で行われるとのこと。
私のルームに通ってくれている中学生にも受験生が数人います。その中の一人とは数日前に会いましたが、緊張はしているものの試験への自信はあるようで、もう合格した後の高校生活について楽しそうに話していて頼もしさを感じました。ぜひ合格して実現してほしいものです。

受験をはじめ試験というのはいくつになっても緊張するものです。
私も大人になってからも国家試験などを何度か経験しましたが、試験の緊張はは大人になっても慣れるものではないですね。
すると、最近Twitterで話題になっていた面白い試験対策を見つけました。

『緊張したときは脳内で「私は興奮している」と呟くと脳を騙せる』

twitter的にはサンドウィッチマンのコントネタへの前振り的なものでしたが、これは確かに理に適っているというか、悪くない対策だと思います。

そもそも緊張というものは興奮と同じく交感神経優位な状態。細かいことを言うと伝達物質の違いはあれども、覚醒状態としては同じカテゴリといっても差し支えないでしょう。
だとするなら『緊張』よりも『興奮』の方が、気持ちが前向きで力が発揮できそうな印象だと思いませんか?

現実的に考えて、精神状態と学力は無関係です。ですが、学力を発揮できるか否かは精神状態に大きく左右されます。
緊張すると、萎縮したり自己評価が下がったりと、本来の力を発揮し辛い状態に陥りやすくなります。緊張して呂律が回らなくなったり体が上手く動かなくなる経験はあるのではないでしょうか。
それと同じことが脳でも起きると考えればわかりやすいのでは。
逆に興奮している時は、平時では考えられない所謂火事場のバカ力が発揮されることもあります。

実際私も、大人数の研修や講演の前は緊張します。そんな時は意識して笑顔を作るようにしています。
本来は脳が楽しさを感じて顔の筋肉に指令を出して笑顔になるのですが、顔の筋肉が笑顔になることで脳は「あれ?楽しいのかな?」と勘違いしてつられてしまうと、かなり乱暴ですけどまぁそんなことが起きると考えてください。

ただこれはあくまで一時しのぎと言いますか、自分を騙し続けないように気は付けてもらいたいのです。
脳を騙したところで、不安を想起させたストレスは変わらず存在するわけですから。完璧に認知を変えられるならまだしも、恐怖や不安だって人間の大切な感情です。
本当は緊張している自分をしっかり実感して受け止めることで、ちゃんと自分の中で気持ちの整理ができるという根本的な解決が望ましいのは前提です。

ですが、どうしても今緊張を和らげなくてはいけない、と迫られた時は自分を一時的に騙すというのも効果的な対処法ではあると思います。

解決というのは一つではないことも多いので、その場面やタイミングで最適なものを選べる引き出しの多さは、長期的にきっとその人の武器になると思います。


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