2016年6月30日木曜日

経験が人を善人にする


バーチャルリアリティを用いた『スーパーヒーロー実験』というのが興味深いですね。
実験の詳細はこちら↓↓
人間性も変えるバーチャルリアリティ!ヒーロー体験すると実社会でも積極的人助け

どのような実験か簡単に説明すると、
スーパーマンなどのヒーローを仮想的に体験した人は、そうでない人に比べて、実験スタッフがわざと物を落とすミスをした時に手助けをするなど積極的に人助けをする傾向が高かったということです。
つまり、自分がスーパーヒーロの経験を仮想とはいえリアルな経験として体験した人は、その経験が実際の行動にも反映するという、
『経験』によって『行動』にも変化が起こるというのは大変面白い結果だと思います。

私がカウンセリングで、何かしら目的を達成するというテーマの際に大切にしていることに、
『成功体験』というものがあります。
意味はそのまま、過去の経験の中で『成功』した『体験』のことでして、
その成功体験を意識できていることで、人はより能力を発揮することができます。

わかりやすく言えば、「自分はできるぞ!」と自信を持つことで、本来の力を発揮できるということです。
単純なことですがとても大切で、逆に「自分はきっとできない」と思いながら挑んだ時、その成功率は下がってしまいます。

人は、自身の経験や、それに伴う『自信』『思い込み』で大きく能力値が変わってくるものです。
今回紹介した実験でも、自分の体験(仮想ですが)が行動のきっかけになるというのは、
それだけ我々は『心』によって行動に影響されているという裏付けがまた証明されたということなのでしょう。


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2016年6月29日水曜日

プロカウンセラーになるための実践ワークショプ(7月)のお知らせ


毎月恒例で開催しています、『プロカウンセラーになるための実践トレーニングWS』。
7月のテーマは、『実習とスーパービジョン』となります。

スーパービジョンという言葉は、対人援助職者(スーパーバイジー)が指導者(スーパーバイザー)から教育を受けることで、専門家としての資質の向上を目指すためのトレーニングを指します。

実際私も、臨床の現場で活動し始めた当時は、結構な頻度で指導者とのディスカッションの時間や、自分の行ったケースの振り返り・検討を行ってきました。

心理カウンセリングは、現場ではカウンセラーとクライエントだけの空間となります。
なのでどうしても、カウンセラーの価値観の偏りや技術の癖が色濃く出てしまいやすい構造になります。
自分では「上手くいっている」と思って進めていたケースに気づけないエラーが潜んでいたり、
最善手だと思っていた対応に、もっと良い方法があったり。
私自身が、スーパービジョンによって成長させてもらったことは確かです。

「自分のカウンセリングの長所はどこなのか、そして何が足りないのか」
そんな分析はなかなか独学では困難なものです。
そこで、自信のカウンセリングを模擬的に現場形式で行い、その中で現状の実力やこれからのレベルアップに必要なものを見つけてゆくことが期待できます。

特に、本や専門の教育で学んだカウンセリングの形式に縛られたカウンセリングではなく、自分の活動する(してゆきたい)領域でのカウンセリングの活用を目指すには、他者からの指導というのは欠かせない経験となります。

今現在カウンセラーとして活動されている方には、自分の技術の確認のために、
これから活動を考えている方は、自分の技術の維持と成長のために、
有意義な時間となるようお約束して、お待ちしています。

『プロカウンセラーになるための実践トレーニングWS』お申込みはこちら

カウンセリングオフィス+α お問い合わせフォーム
※希望メニューは「各種イベント」
※お問い合わせ内容に「実践WS申し込み」とご入力ください。

主催:カウンセリングオフィス+α
開催日時:7/4(月)13:00~16:30
参加料金:5,000円
参加条件:心理カウンセリングを学んだ方ならどなたでも

   
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2016年6月28日火曜日

教わることは楽しい


最近ご縁のできたお仕事で、社会人向けビジネススクールの講師をやらないかというお話をただきまして、興味深そうな内容でしたのでやらせていただくことにしました。
そこで、私の講師としての能力を見るための『模擬セミナー』を先日行ってきました。
つまり、その会社の方の前でセミナーを行い、出来を見ていただくというわけですね。

カウンセラー養成学校の講師を始めた頃も、私を一人前の講師とするために先輩講師講師の皆さんの前で『模擬講義』をやった時を思い出し、もう十年近く前になるのかとなんだか懐かしいような、新鮮な気持ちでした。

しかし、自分の講義やセミナーを『評価』の目的で見られるというのは、どれだけこの仕事を続けても緊張するものです。
特にここ数年は、指導を受ける立場になることも減り、久方ぶりの「試される緊張」を味わいました。

結果としましては、無事合格ラインということで今後はそちらでも講師のお仕事をやらせていただくこととなりました。

その時に、模擬セミナーの聴講生役をしていただいた関係者の方たちからフィードバック(意見や感想など)をいただきました。
私の講義を初めて受けるうえに、更にご自身も講師として活動されている方たちからの意見というのは本当に参考になります。
自分ではベストだと思いやっていることも、ほんの少しの意見や感想で改善点が見えてきたり、思わぬ欠点が見えてきたりします。

普段は指導や提供ばかりの私ですが、こうして人からの意見を頂戴する期待というのは本当に貴重だとつくづく感じます。

以前にもこのブログで、通っているジムの先生に指導されることが嬉しいという記事を書きました
が、どうも私は年を重ねるごとに、キャリアを積むごとに、「ものを教えてもらう」ということの楽しさが増していっているようです。

「ものを教えてもらうこと」の楽しさ、あと30年早くその魅力と大切さに気づいていれば、もっと学生時代を有意義に過ごせたのだろうなと、後悔しないでもないですね。とはいえ、人生は一生勉強。
これからもこういった機会を大切にしていきたいと思います。


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2016年6月27日月曜日

オーラが見える?


私のカウンセリングルームは池田公園という街区公園に直面したビルに入っています。
比較的大きな公園なので、催し物が開催されることもしばしば。
今は金曜日から3日間、『イー・フェス』なる催しが行われていました。

どのような内容の催し物なのかははっきりとは分からないのですが、
どうやら美味いものが集まるイベントのようです。

金曜、土曜と天候のせいか少し寂しげな感はありましたが、今日は天気も良く日曜日ということもあり、大勢の人が立ち寄っていました。
夕方からは特に来場者も賑やかになり、少しオールドな音楽なども流れてちょっとしたBGM感覚で楽しませてもらいました。

とはいえ、カウンセリングという特性上、あまり騒がしくなるのは好ましくはないのですが、
幸いながら今のところ、これまでにベントがあった時でもクライエントさんからはカウンセリングの妨げになって困るというお声をいただくこともなく、問題なく立地場所と共存できています。

こういったイベント会場というのは、参加して楽しいのはもちろんですが、少し離れた所から眺めるというのもおつなものでして。
来場者の楽しそうな様子や、はしゃぐ子供たちの姿からは、プラスのエネルギーを感じます。
人は、楽しんでいる時や自分の好む行動をとっている時は、普段以上に生命力や力強さのようなものを発するように感じます。

逆に、ネガティブな気分の時や意に沿わない行動をしている時は、どことなく力なさげな、窮屈そうな印象を受けることもあります。
それを『オーラ』とか『波動』という言葉で表すことができるのかもしれませんし、
言葉に出来なくともそれは雰囲気や空気で感じ取ることができます。

カウンセリングを提供していると、来談された時とセッションが終了して帰られる時に、明らかに表情が変化しているクライエントさんは実にたくさんいらっしゃいます。

目に見える具体的な変化では、目が大きくなり、瞳に宿る光も輝きを増す、口角が意識せずとも上がっている、話し方が明瞭に、音量も大きくなっている、足取りが軽くなっている、などでしょうか。

そして、実際は物理的な変化はないはずなのに、なんとなくその人の周囲が明るくなったような印象も受けるんですよね。
これはきっと、立ち振る舞いや表情の変化がそんな印象を持たせるのだと思われます。
人は目に見ることはできない心理的な変化が、他者からの目に見える様子となって表出する。

「なんだか元気がなさそうだね」

そんな言葉をかけられたけれども自覚はない。
そんな時は自分でも気づけない微妙な差異が起きているのかもしれません。


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2016年6月24日金曜日

スワンプマン(沼人間)解決編


スワンプマン問題、考えてみてくれたでしょうか。
「解決編」と偉そうに題してみたものの、この問題に正解はありません。

この問題は、人としての価値を『自我』に置くのか『人生の歴史』に置くのか『物理的な存在』に置くのか、などの価値観を通して、

『人とはなにをもって人とするのか』『人とは、自分とは何なのか』

という哲学のある意味命題を問う問題として扱われます。

例えば、
「生物としての特徴が全く同じならば、それはもう同一人物だろう」
そう思う方もいるでしょう。
確かに生物としての構造や物理的な存在に重きを置くならば納得できる意見です。

例えば、
「心は一つしかないのだから、全く同じ構造の生物だとしてもそれは別の心を持つ別の人間だ。心は唯一のもので、思考や記憶の問題ではない」
心を『魂』と言い換えてもいいかもしれませんね。
一人として同じ人は存在しないという考えは、個性や心の在り方を大切にするタイプのカウンセラーである私にも共感できる意見です。

例えば、
「死んだ男にはこれまでの人生があったが、スワンプマンは生まれたてだから、同じ歴史を歩んではいないので同一ではない」
人が生きると書いて人生。そう考えると、どのような人か、ではなく、どのように生きてきたのか、と重視するならなるほど納得できます。

このように、アイデンティティや同一性というものを、どのように捉えているかによって意見が変わってくるというものです。
『存在』の定義として『在る』とはどういうことなのか、そんなテーマにも繋がる、思考実験の紹介でした。

落語の『粗忽長屋』もやはり自分の存在が曖昧になってしまうという男の話ですが、
「自分が何者なのか」というのは人類にとって普遍のテーマなのでしょう。

皆さんは「自分が在る」ことをどのように証明しますか?

  
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2016年6月23日木曜日

スワンプマン(沼人間)出題編


『スワンプマン問題』と呼ばれる哲学の思考実験があります。
簡単に説明はしますが興味を持たれた方は調べてみてください。

まずこんな物語を想像してみてください。

ある男が森へハイキングへ行き、不運にも雷に打たれて死んでしまう。
その時、別の雷が近くの沼にも落ち、奇跡的な化学反応が起きた。
なんと死んだ男のコピーが雷の化学反応で誕生してしまった。
沼から生まれたこの男をスワンプ(沼)マン(男)と呼ぶ。
スワンプマンは死んだ男と全く同じ構造の生物であり、
容姿、記憶、思考すらも完全コピーしている。
そして沼から上がったスワンプマンは、死んだ男の家に帰り、その男と同じように日常を送る。

こんな仮定の話に対して、

沼から生まれた『スワンプマン』と、雷に打たれて死んだ男は、同じ人間なのか。
それとも別の生き物なのか。

という問題です。
どうしてこんなややこしい仮説を前提とするのかと私も疑問なのですが、もっと単純な話として、

死んだ人間の完全コピーはその人と同一なのか?

そんな問いだと持っていただければ問題ないかと思います。

さて、この『スワンプマン問題』ですが、どう思われますか?
次の記事で続きを書こうと思います。
それまで皆さんも考えてみてください。


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2016年6月21日火曜日

ストレスに対処法は存在するのか②


さて前回は、ストレスとはネガティブなことに対してだけ感じるわけではない、
ということをお伝えしました。
そして今日は、ネガティブなストレスについて。

自分にとって、不安や恐怖を与えるストレス要因もたくさんあります。
そんなものはない方がいいと思われる方も多いのではないでしょうか。

しかし、ネガティブなストレスだとしても、全く無い、ゼロの状態というのは実はあまり良いものではありません。

例えば、『焦り』『プレッシャー』『多忙』などは、日常でもよくあげられるネガティブな部類に入るストレスではないでしょうか。

「仕事の期日が迫っている焦り」
「期待に応えなければならないプレッシャー」
「仕事の量が多い」

そんな相談はカウンセリングの中でもよく扱われます。
そんなストレスを「無くしたい」と考えた時、
その対処法としては、ストレスを生み出しているものを排除する、こととなりがちです。

それが長期的に見てもベストならよいのですが、一時の緊急避難としてはあまりに刹那的過ぎる気もします。
そしてまた、結果的に別のストレス要因が生み出されてしまうことも珍しくないでしょう。

そもそも、「避けられない」「逃げられない」ことから生まれるストレスは、
それがあるからこそ「避けず」「逃げず」に対応できていると考えることもできます。
ストレスが努力をするためのカンフル剤にでもなっている、という感じでしょうか。

逆に、ストレスを感じなくなってしまえば「避ける」「逃げる」と回避行動ばかりを選択してしまうことになるかもしれません。

状況次第では、一時的に、または必要以上に感じてしまっているストレスから回避することは、心の健康のためには必要なことですが、
ストレスを感じない環境というのもまた不自然な、歪なものなのではないかとも思います。

生きている限りは切っても切れない『ストレス』。
無くすという方向で対処するのではなく、「折り合いをつけて上手く付き合う」
そんな方向性で捉えてみると、意外とよい解決方法が見つけるものかもしれません。


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