2017年9月2日土曜日

子供との関わり方 ~大人の決めつけに注意~



先日、『明日から9月』というブログの記事で、
夏休み明けに学校に行くことに苦痛を感じる子供たちのことを少し書きました。

ニュースなどを見ていると、世間的にも9月1日の18歳以下の自殺者数の話題が挙がっており、それに対する著名人のコメントなども様々なメディアで紹介されていました。
その多くが
「学校に行かなくていいのだ、ということを子どもたちに伝える」
というものだったのでした。

もちろんそれも大切です。
子供たちの価値観では、学校に行くということはとても大きな常識であり、
行かないという選択肢は、少ない人生経験からはなかなか選べないものです。
確かにそのアプローチも対応としての正解の一つではあるのでしょう。

ですが一点、大事なことが抜けているような気がしてなりません。
それは、不登校の子供たちに対し、
「学校に行きたくない」と、どこか決めつけている所があるのではないかと感じるのです。

結果的に、学校に行っていないという現状だとしても、
行けない理由が明確な場合もあれば、
「ただなんとなく行かない」 という場合もあり、
または「行きたいけれども行けない」、
など、実は子供たち一人一人の事情は違うものなのではないかと思うのです。

そしてその事情は、ともすれば本人である子供自身にもわかっていないのかもしれません。
自分の行動を左右する気持ちがあるのに、それが自分でも自覚できず、意図のわからない行動をしてしまう、
ということは我々大人でも理解できるのではないでしょうか。

人生経験や語彙の少ない子供達はなおさらです。
大人達は、すぐに「どうして?」「なぜ?」とはっきりとした理由を確かめようとします。
子供たちは答えないのではなく、答えられないのかもしれないということです。

なので、不登校の件に関しても同じです。
「行きたくないなら行かなくていいんだ」
という大人たちからすれば優しい言葉かもしれませんが、
そこにはどこか、『理由の決めつけ』的なニュアンスも感じてしまうのです。

「どうして?」「なぜ?」を問いただして答えを求める前に、
子供たち自身が、自分に起きていることを自覚し、正しく表現できるように、共に探す。
全く関係のない話の中にヒントが紛れているかもしれませんし、なかなか上手く言葉にならない思いが、そこにはあるかもしれません。

そこを丁寧に関わってあげることこそが、子供たちの本当の思いを理解することに繋がり、
また子供達にとっての、「学校に行くか、行かないか」という二択ではない、
子供の人生にとって一番良い答えを見つけることに繋がるのではないでしょうか。

勿論そんな関わりが、親や身近な者には難しいことは重々承知しています。
それはカウンセリングも同じで、カウンセリングの原則として、
『家族や身近な者のカウンセリングは極力行うべきではない』
というルールもあります。

だからこそ、相談を受ける専門の役割の者、
勿論我々カウンセラーもその一人ですし、学校カウンセラーや教育相談など様々あります。
そういった専門の役割の者に頼むというのも効果的な方法だと思います。

子供を想う気持ちは親が一番強いのは当然のこと。
しかしだからこそフラットに関われないのも事実です。

決めつけてしまうのでなく、本当の気持ちを一緒に探してあげてください。


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