2014年8月5日火曜日

振り込め詐欺対策ポスターに思う

世の中にはいろいろな手口の犯罪がありまして、
この『振り込め詐欺』というものは、典型的といいますか、盲点を突いたといいますか、
まぁ実に人間心理の虚をついた巧妙な手口だと思います。

特に典型的なのが、数年前までは『オレオレ詐欺』などと呼ばれていた手口でして、
年配の方をターゲットにして、ご主人や息子さん、親類を騙り、

「俺だよオレオレ、車で事故起こしちゃってお金が……」
「母さん俺なんだけど、仕事でミスして損害を自己負担しなきゃいけないんだ……」

などと、家族に対する愛情を逆手に取ってお金をだまし取る手法でした。

昨今では随分一般的にも知られたりしたことで、被害も減ってきたそうですが、
僕の住む街にも、この「振り込め詐欺に遭わないようにしよう」という目的で啓蒙ポスターや
呼びかけなどがされているのですが。
その対策として

●相手が「オレ」と言っても軽率に名前を呼ばないようにしよう
●子供や親戚とは合言葉を決めておこう
●慌てずに電話を切った後にすぐ確認しよう
●家族がATM利用限度額の引き下げをしておこう

などの撃退法が薦められているようです。
ここで少し引っかかったことが。

どうして、詐欺被害者のお年寄りが対策を講じることばかり考えるのでしょうか。

もっと単純に言えば

『我々が年配の方に電話をする際にはまず名乗りましょう』

それだけでいいんじゃないのかなって思うんですよね。

普段から名乗って電話していれば、
「名乗らないあんたは誰だ?」
とてなるのではないかなと。

勿論、物騒な世の中ですから、電話がかかってきても
「はい、こちら○○です」
なんて僕も名乗りません。

でも、こちらからかける時は名乗っても問題ないのではないでしょうか。
それだけで、お年寄りが電話の相手を勝手に勘違いする、というこの詐欺の肝は潰せるのではないかと思うんですよね。

被害に遭わないように対策を講じるのも大事ですが、本人の努力ばかり強いるのでなく周囲の者も普段の行動を改めることも有効だと思います。

もしかしたらそういう対策も奨励しているのかもしれませんし、何か僕の見落としている欠点もあるのかもしれませんが、
今日なんとなくポスターを見て思ったことでした。