こう考えてみようシリーズの第3弾です。
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こう考えてみようシリーズ ①『全てか無か思考』
こう考えてみようシリーズ ②『過度の一般化』
認知の歪みの代表的なものを紹介しつつ、その思考パターンから脱却するヒントになりそうな考え方を提案してゆくこのシリーズ。
第3弾は
『結論の飛躍』
確かな証拠も根拠もないのに、否定的な憶測によって悲観的な結論を決めつけてしまうという認知の歪みです。
『誤った先読み』『誤った読心術』の二つが代表的な特徴です。
『誤った先読み』は、
確信した予想などできるはずのない未来に対して、ネガティブな方向に「きっとこうなるに違いない」と決めつけてしまう事です。
前回のテーマの『過度の一般化』と似ていますが、過去の失敗や出来事を一般化しすぎて将来を悲観してしまうのに対して、『結論の飛躍』は過去の失敗体験があるわけでもないのに過度にネガティブな予想に囚われてしまいます。
『誤った読心術(心の読み過ぎ)』は、
特に人間関係で、断片的な情報や態度だけなのに、ネガティブに解釈をしてしまいます。
相手がどう思っているかを確かめもせず、一言やちょっとした態度・表情で「あの人はこう考えてるに違いない」
と決めつけて人間関係にストレスを感じてしまいます。
どちらにしても、他人からすれば
「確かめたわけでもなければ根拠もないのに心配し過ぎだよ」
そんな程度の馬鹿げた考えで、取り合ってもらえない事が多いかもしれません。
でも、本人にとってはその不安や怖さはとても大きく、自分でも馬鹿げた考えだとわかっていても拭い切れない程の大変なものです。
何かにチャレンジしようとしても、
「初挑戦だけど、きっと上手く出来ないのだろうな」
「何をしても失敗してしまう所しか想像できない……」
人と会話をしていても
「さっきの言い方、あの人きっと私のこと嫌いなんだろうな……」
「あ、今の私の発言で怒らせてしまったかもしれない」
そんな考えが頭から離れてくれないというのは日常生活にも支障を感じてしまいます。
そんな『過度の一般化』に対して、このように考えてみたらどうでしょう。
・思い過ごしかもしれないから、心配なら確認してみよう。
これは主に『誤った読心術(心の読み過ぎ)』に対してです。
相手がどう感じたか、どう思っているかなど、どれだけ考えたってわかりません。
所詮は相手次第なのですから。
自分の思いもよらないところに噛みついてくる人だっています。
そう思うと人間関係は本当に怖いですね。不安も当然です。
だから、確認するんですよね。
確認して、思い過ごしなら安心だし。不安が的中なら許してもらえるよう謝罪すればよいのです。
・本当にそうなのかな?根拠はあるの?
この認知の歪みの特徴として、根拠のない予想というものがあります。
ですので、冷静に順序立てて考えてみたら想定している未来予想が起こる確率はそれほど高くないという事に気づけます。
実際カウンセリングでも、この認知の歪みを持った方に対して丁寧に話し合ってゆくと、不安が収まってゆくことは意外に多くあります。
まずは、ネガティブな思考に偏らずに冷静に状況分析と常識的な予想をしてゆくことを、自分に言い聞かせて整理してみるとよいでしょう。
・それは分析じゃない、ただの未知に対する不安であることを自覚する。
先ほどの、冷静になって考えてみるというのは、頭で分かっていても不安に囚われている時はなかなかそう上手くはいかないものです。
なので、まずこう唱えてみる。
「こんなの分析じゃない。ただの思い込みだから間違っている」
すると、ネガティブな方向への偏りが一度リセットしやすくなります。
普段自分を分析上手だと思っている人ほど陥りやすい『過度の一般化』なので、自分の分析を一度捨ててみることが脱出の第一歩となるでしょう。
・自分の常識だけで決めつけずに情報をたくさん集める。
これは認知の歪み全般に対して有効な対策です。
対人関係での不安なら相手に聞くのが一番。そうでなくても、ネガティブな認知のスパイラルにはまってしまった時は人を頼るのが一番です。
一人で考えていると、ネガティブにハマってしまっていることすら気づけなくなってしまいます。
自分がそう思う理由を人に話している過程で
「あれ?自分なんかおかしな理論展開しているな」
そう気づくことも多くあります。
そして、違う立ち位置からなら全く違った意見や発見もあるものです。
一人で考え込んでもいいことはないという事ですね。
ということで今回は『結論の飛躍』に対する反対意見を思いつくまま挙げてみました。
少しでも、納得できるものがあって、少しでもこれまでと違った考え方ができるきっかけになれば幸いです。
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