脈絡なくシリーズ記事をはじめてみます。
というのも、悩みが生まれる原因の一つに『認知の歪み』と呼ばれるものがあります。
認知の歪み(にんちのゆがみ、Cognitive distortion)とは
誇張的で非合理的な思考パターン(irrational thought pattern)である。これらは精神病理状態(とりわけ抑うつや不安)を永続化させうるとされている。
という意味なのですが、分かりやすく言うならば、
物事に対してネガティブな思考へと続いてしまいやすい考え方
といったところです。
いくつか代表的なものがあり、実際多くの認知の歪みはいづれかの系統に近いものがほとんどです。
そこで、シリーズとして毎回代用的な認知の歪みを紹介し、その考え方から脱却出来るヒントもあわせてお伝えしようともいます。
第一弾は
『全てか無か思考』
これは物事を両極端に捉えすぎてしまう。
白か黒か、善か悪か、0か100か、で考える完璧主義的な傾向。
『二分割思考』とか『オール・オア・ナッシング思考』とも呼ばれますが要するに、
結果が明確なチャレンジに対して少しでもミスがあれば失敗だと考えてしまいます。
例えば、スポーツで努力して2位になったとしても
「1位じゃないと意味がない!2位なんてビリと一緒だ。自分は失敗した!」
そんな思考のことです。
ここまで極端でなくてもこれに近い思考で悩んでいる方は結構多い印象です。
ある相談者さんは、
「私は仕事ができない」
というので話を詳しく聞いていると、どうやら仕事は人並みには出来ているようなんですよね。
でも本人としては、
「失敗することがある」「完璧にできない」
という理由なのだそうです。
これだって『全てか無か思考』と言えます。
心当たりある方も多いのでは。
そんな『全てか無か』に対して、このように考えてみたらどうでしょう?
・完璧などありえるのか?
完全なものや状態など存在するのでしょうか。
どんな達人だって失敗することはあるでしょうし、常に成功する挑戦などそれはもう挑戦ではなくなってしまいます。
周囲の人を見渡してみてください。あなたが「あの人はすごい!」と思っている人もよく見ると失敗していますよ。
更に言えば、どんな達人だって専門分野以外の所でも達人ではありません。この思考の人の多くは、全てにおいて成功(完璧)を求める、という傾向があります。
神様じゃないんだから、全てに完璧なんて人間には無理ですよ。
・そもそもなにをもって完璧と言えるのか?
完璧にこだわる人には意外と多いんですよ、完璧の理想像がはっきりしないのに目指しているパターン。
それではいくら頑張っても理想にはたどり着けないのではないか。
何が完全なのかを決めているのが結局自分なら、それは他者にとっては完璧ではないかもしれない。だったら自分だけが信じる完璧ってもあまり意味なくなってしまいませんか。
・失敗して何が悪いのか?
チャレンジの機会は一回だけではないはず。今回ダメならもう一度挑戦すればいいだけ。
失敗したからといってそこで人生は終わらないし、会社をクビになることもまずありえません。
「失敗は成功の母」なんて言葉もあるくらいですから、失敗したって当たり前なんですよ。
・本当は出来ているのに見落としていないか?
完璧に成功していなくても目的は達成していることだってあります。
例えば、「○○㌔になるためにダイエットするぞ!そのためにお菓子は絶対食べない」
と努力していて、目標体重にはなれたのにお菓子を食べてしまったからと言って自分を責めたりしているのは本末転倒です。
目的と手段が混乱しないよう注意ですね。
・完全じゃなくても努力は認めてあげよう。
完璧な成功でなくっても、おそらく努力の成果は出ているはず。
前回は10点だったが今回は30点に上がった。
小さい進歩かもしれませんが進歩には違いありません。
その積み重ねが目標になると考えて、今回の成果を褒めてあげましょう。
・0か100だけではない
世の中には中間とか中庸などという言葉があります。
100でなくたって0ではなく、2かもしれないし99かもしれないわけです。
2と99ではずいぶん違いますよね。
一つ失敗したからダメ!ではなく、失敗したところと成功したところをちゃんと分けて自覚してあげます。
・あなたは金メダルを目指しているのか?
この答えが「YES」なら何も言うことはないです。それが目標なのでしょうし。トップアスリートはそれくらい自分を追い込むことも必要なのでしょう。
ですが、日常や仕事などでも同じ姿勢で取り組んでいたら、いつかは心が疲れでダウンしてしまいます。
一生をかけてそれだけを極めるんだ!というほどの強い目標でない限りはもう少しハードルを低くしてもよいのではないでしょうか。
すると、自分の今の状態が冷静に見られて次への課題も見えてきます。
さて、思いつく限り『全てか無か思考』に対する反対意見を挙げてみました。
中には暴論だったり矛盾しているのもあったりしますが、それでいいのです。
どれがその人の納得に刺さるかだって人それぞれですし。
「なるほどな、そう考えればもう少し肩の力が抜けるかな」
そう思ってもらえるヒントになれば幸いです。
今後も不定期でこのシリーズやっていくつもりです。
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