2022年9月29日木曜日

食欲の秋、読書の秋、転職の秋?



ご無沙汰しております。
気付けばもう9月も終わり。猛暑続きの夏もやっと朝晩などは涼しくなってきて秋の気配を感じられだしましたね。
なんだかこのブログ、季節毎の更新のようになってしまっていますが。

さて秋といえば行楽のシーズン。
世間的にも少しずつ出かけやすくなってきており、この秋は数年ぶりに行楽に出かける方も多いのでは。
秋の行楽といえば私は『紅葉狩り』が好きです。
落葉間近の葉を愛でる文化は諸行無常を感じられ、何より自然の紅葉の美しさに癒されます。
とはいいつつ、おかげさまで忙しくさせていただいているのでのんびり行楽とはいかないでしょうが、出張で地方へ行く時の高速道路で山中を走りつつ堪能しようかなと思っています。もちろん安全運転も忘れずにですよ。

さてそんな秋。企業のメンタルケアの仕事もさせて頂いていると、9月10月に多いなと感じることが転職・離職の相談。
世間的には5月病の時期にその印象があるかもしれませんが、私が相談を受けていると、4月に入社して5月あたりから調子を崩し、それでも耐えて9月に限界を迎える、そんなケースが多いように感じます。
あとは夏のボーナスまで頑張るっていうのも心情的には理解できますしね。

前提として私は転職や離職をネガティブには捉えておらず、本人の持つ立派な選択肢の一つだと思っています。
ですので説得したり引き止めたりすることはありませんが、明確にしておきたいことがあります。
それは、理由。

辞めると判断する理由です。
というのも、相談で転職・離職がテーマに挙がる時、多くの方がとても真っ当な理由を語られます。
ですがそれらの理由を聞いていると、
「それが理由なら辞める以外の方法もあるのではないか?」
そう感じてしまうのですよね。
もちろん、そうすることで選択肢が増えるのであればそれは相談援助として正しい方向性だと思うのですが、なかにはそんな介入が却って苦しめてしまうこともある。逃げ道を塞いでしまうと言いますか、追い詰めてしまいかねないことにもなります。

そんな場合の多くが、そもそも理由として挙げているものが本質ではなかった、というものです。
人はどうしても、自分の決断に正当性や同意を求めます。その方が安心できますしね。
その結果、自分の本心とは違うもっともらしい理由を見つけて、決断の根拠としてしまいがちです。
ですが本当の決断とは、自分の心に従った時にこそ後悔がないものです。

本当の理由なんて自分本位で自分勝手なものでも構わないんですよ。
例えば
「朝早く起きるのが辛い」
「社員食堂の味が合わない」
そんな我儘な理由でもいいんです。
だって自分の人生ですから。
ですが、そんな個人的な価値観からの決断を
「そんなのはただの我儘だからもっとちゃんとした理由がないといけない」
そう考えてしまった結果、自分の本意とはズレたもっともらしい理由を見つけて、自分をも騙してしまいます。

もちろん、社会的には表向きの理由も必要です。でもそれはそれ。
本当の理由は自分が納得できていればそれでいいんです。

なので私は、退職や離職を悩んでいる相談者には、本当の理由をはっきり自覚してもらうことを心掛けています。
時にそれは自分と向き合う作業になるので苦しさを伴う時もありますが、自分の本音を認められた時多くの方はすっきりと納得感を得て決断してくれます。そして理由が明確になっていれば次にも活かせます。

たった一度の自分の人生です。そして自分とは一生のパートナーです。
せめて自分には嘘をつかず、自分に正直に決断することをお勧めします。


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