人間誰しも、『自分ルール』といわれるものを持っています。
例えば、
靴を履く時は右足から。
体を洗うのは頭から。
横断歩道では白い部分だけを歩く。
黒猫と出会ったら悪いことが起きる。
など、自分の中だけでの決まり事、自分が信じている『法則』とも言い換えられるかもしれません。
多くの自分ルールは、
「守ったら幸運が」
「破ったら悪いことが」
といったように自分の行動に対して制限や条件を課してきます。
しかしこの自分ルール、誰しも多かれ少なかれ持っているものだと思いますが、よく考えてみてください。
そのルールに、科学的な裏付けや根拠はありますか?
理論的な説明も必要とせず、
「ただ、そういうものだから」
そう思って従っている人も多いのでは。
この自分ルールというものは、その人の経験や価値観によって作られているものが殆どです。
なので、以前に起きた出来事や、躾として言いつけられてきたことに対して無根拠で自分の中に根付いているものです。
教訓として捉えるなら良いのですが、
前後関係や環境、自分の立場によって、その過去の経験は『参考』になっても『絶対のルール』にはならないはずなのです。
そう言うと、こう反論したくなる人もいるのではないでしょうか。
「だって、自分ルールを破ったら本当に悪いことが起きたもの!」
それも事実なのでしょう。
しかしそれには、我々人間に起こりがちな認識のミスがあるのです。
我々は、こうだと信じていることに対して、それが正しいと思える証拠ばかり印象的に感じ、逆に信念に反する出来事は無意識でなかったことにしてしまう傾向があります。
例えば、
『雨の日には悪いことが起きる』
そう信じている人は、
雨の日に起きた悪いことは「やっぱり!」と覚えているのですが、
雨の日に起きた良いことは無視してしまうという事です。
これは、認知心理学の言葉では『確証バイアス』などとも呼ばれます。
これでは「雨の日には悪いことが起きる」と信じてしまっても仕方ないですよね。
自分ルールにとって都合の良い事柄は目につくのだけど、
自分ルールの信憑性を脅かすような事柄は気付かずに過ぎてしまう。
もしそれが、自分自身にとって辛いことだったとしても、です。
我々の認識とはそれくらい偏ったものです。
もし、自分ルールに縛られてしまい、生き辛くなっているなら、
無意識で行ってしまっている判断を見直してみることをお勧めします。
自分を守り、生き易くするための自分ルールなら、おまじないでもなんでも大歓迎ですが、
自分が生き辛くなるような自分ルールとは決別することで、
これまで想像もしなかった新しい世界が待っているかもしれません。
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