2016年1月27日水曜日

ルーティン


大相撲今年の初場所で琴奨菊関が日本出身力士では10年ぶりの優勝を果たしました。
そんなニュースの中、『琴バウアー』なる『ルーティン』が話題になっています。
ラグビーの五郎丸選手も行っていたこともあり最近話題になっている『ルーティン』。

他にもイチローやタイガー・ウッズなども行っており、トップアスリートの多くが自分なりの『ルーティン』を持っているようです。
とはいえこの『ルーティン』、別段特殊なことをしているというわけでもなく、
五郎丸選手の『拝み』や琴奨菊関の『琴バウアー』などの『ルーティン』は一種の『おまじない』と言うとわかりやすいのではないでしょうか。
簡単に言うと、落ち着くためのおまじない。それが彼らの『ルーティン』の正体です。

これは、メンタルトレーニングではポピュラーなスキルのひとつです。
そしてメンタルというからには心理学の理論の応用も多く見られます。

専門的に言えば、行動科学にも属するこの技法ですが、ルーティンの本来の意味は「いつもと同じ動作」です。
ルーティン・ワークなどの言葉は日常的にも使いますよね。
つまり、ルーティンの効果というのは、自らの安定した状態、特にメンタル面をどんな場面でも瞬時に安定させることができるという点にあります。
『いつもと同じ行動』をスイッチとすることで、『いつもと同じメンタル状態』に切り替えるということですね。

ですので、大事なのは『ルーティン』を行ったから普段以上の力を出せるというわけではないということ。
決して能力アップの便利な魔法ではないのです。
『いつもの状態』であれば成功する、というのは普段の努力の賜物。
だからこそ、成功のイメージを強く持てるくらいに、裏付けとなる努力と自分を信じることが大切になります。

「練習では上手くいくけれど、本番では失敗してしまう。」
これはスポーツに限らずどのような世界でもあること。

それは、本番による緊張やプレッシャーが本来の自分の力を出せずに起きてしまいます。
ですので、練習の時のようなリラックスした、『いつもと同じ状態』を緊張時でも引き出せるための効果があります。同時に、成功する自分のイメージを繋げることで、より効果は発揮されます。

仕組みを知れば単純なことですよね。
何か自分なりの『スイッチ』を作る。
これは日常でも役立てられます。

例えば、大きく深呼吸をする。
指を鳴らす、腕を回すなど特定の動作をする。
「よっしゃ!」など大きな声を出す。

なんだっていいのです。
自分なりにスイッチを入れやすい決まり事を作る。
そしてその動作と成功のイメージを繋げる。
カウンセリングでも、その人のルーティンを一緒に作り、定着させるということもやったりします。
その作業は、自分の成功をイメージしながら行うことが多いので、クライエントも楽しく行えたりします。
そんな経験すらがルーティンの強化にも繋がっていきます。

あなたのルーティンはなんですか?たるみでした。


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