2016年5月14日土曜日

カウンセラーは悩まない?


タイトルの通りなのですが、よくこういった旨の質問をされます。先日も一般の方たちに対しての心理学セミナーを行った際に、
「カウンセラーは悩み事とかないんですよね。どうやったらそうなれますか?」
そんな質問を受けました。

そうなのでしょうか。
確かに相談者の悩みを聞き、解決に導く役割であるカウンセラーには悩みはないのでしょうか。
私は、という前提で言わせていただきます。

全然そんなことはありません!
むしろ、私ほど悩み多きカウンセラーはいないのではないかと思っています。

この答えだけで終わってしまったら、現在私のルームに通っていただいている相談者の皆様に心配をかけてしまいかねないので、もう少し詳しく説明しますね。

悩みは多いです。しかし、それら悩みが生活に支障をきたす不具合とならないようにちゃんと処置(処理?)をするようにしています。
そもそも、日々生きていれば悩みなんて尽きないものだと思います。
悩むこと自体は決して悪いことではなく、『悩み』を解決してゆくプロセスが結果として『成長』に繋がり、それが『自信』や『成功体験』になってゆくと私は思います。
避けなくてはならないのは、『悩み』が生きてゆくうえで不具合をきたすレベルの『問題』となってしまうこと。
そうなる前に対処をすることができれば、『悩み』はむしろ成長のためのきっかけともなります。

幸い私の周囲には優秀な信頼できるカウンセラーがたくさんいますし、
セルフカウンセリングとして、常日頃から自分自身の状態を繊細に感じることも怠らず行っています。

つまり、カウンセラーだって悩むし、時には解決に他者の手助けを求めることだってある。
という事です。

実際私は、現場のカウンセラーでもあり、カウンセラーの指導・育成も行っています。
たくさんのカウンセラーさんたちが私の所に相談にいらっしゃいます。

自分が行ったカウンセリングの進め方について、
カウンセラーとしての成長のためのトレーニングとしてとして、
プライベートな相談だってカウンセラーのトレーニングとして必要なものです。

こういった、カウンセラーが受けるカウンセリングのことを、広義で『教育分析』と呼びます。
(本来は精神分析で使われる用語だったのですが、最近では上のような意味が一般的になっているようです)

じつはこの教育分析というのは、
カウンセラーとしてのトレーニングや心の健康の維持というだけでなく、
相談者としての立場で相談することで、相談者の気持ちがより深く理解できたり、
悩みが解決したという経験自体が自分のカウンセラーとしての糧となります。

カウンセラーを提供することを生業としているのに、自分はカウンセリングを必要としていない。
というのは私としては逆に不自然な気がします。

医師が「医者なんかいらない」と言っているような、
教師が「勉強なんて教えてもらうものじゃない」と言っているような、
と例えれば納得いただけるのではないでしょうか。

カウンセラーとして、相談者により質の良いカウンセリングを提供するため、
教育分析を受けることは大切ですよ。

という事で最後にちょっと宣伝(笑)

※『 名古屋 栄カウンセリング 』では、カウンセラーの方への教育分析トレーニングも行っています。
  詳しくはこちらからをご覧ください⇒『カウンセラーへのサポート』