2016年5月30日月曜日
トラウマを癒すということ
ゲシュタルト療法の代表的な技法に『エンプティチェア』という技法があります。
直訳すると「空の椅子」となるわけですが、
この技法が、トラウマの解消やインナーチャイルドの癒しに効果的とされています。
実際に私も現場で頻繁に用いるので、その効果は確かだと言えます。
実は、毎月恒例の『カウンセラーになる為の実践講座』の6月のテーマをこのエンプティチェアを考えていまして、
改めて理論をまとめ、講座用のテキストを作成していると、
「深く調べれば調べるほどによく考えられた面白い技法だなぁ」
と感心してしまいました。
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このエンプティチェア、原理としては、トラウマの対象となった人物や場面を空の椅子を使って『再体験』することで、トラウマを修正したり、過去の出来事を塗り替えるということが可能とされています。
この技法、確かにトラウマケアにも有効なのですが、実はもっと広い範囲で活用できます。
対象は何も人や出来事だけでなく、
もう一人の自分、心の中の分身、大切な人、自分にとって大きな意味のある物体、身体の一部、架空のもの。
なんでも扱うことができるといってよいでしょう。
そんな、万能とも思える技法ですが、デメリットもあります。
まず一つは、『再体験』という部分。
トラウマになった出来事をただ再体験するだけで終わってしまうと、それはただのトラウマの再体験となり、
ともすれば逆効果にもなりかねません。
そうならないために、カウンセラーの確かな技量は求められます。
そしてもう一つは、『クライエント(相談者)の意思が必要』ということ。
いくら効果的な技法であっても、クライエントが本心から取り組まないと効果も半減です。
大きな効果のある技法だからこそ、クライエントの協力(という言い方も変ですが)なしではダメというわけですね。
カウンセラーの独りよがりはカウンセリングではNGです。
効果的な技法だからこそ、確かな技量と繊細な判断が必要不可欠。
普段使っているからと言って慢心せず、より技量を高めてもっと効果的なものが提供できるように精進しようと思います。
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