『女子の人間関係』という本をご存じですか。
最近流行っているようですね。今日本屋に行ったら平積みされていました。
著者は水島広子先生。この方、精神科医なのですが著作も多数あり、メディアへの影響力も効果的に使われる方ですね。
これまでも著作を何作か読みましたが、根っこの部分の理論は同じようなところにあるのですが、上手く流行や時代に合わせて興味深く読ませるとても上手な方だと思います。
そして今作、『女子の人間関係』ということです。
内容としては、所謂女性の世界での人間関係のあるあるをピックアップし、女性特有の考え方の傾向などで解説をしていました。幾つか例を挙げてみると
・女の敵は女。自分より恵まれた人の足を引っ張ろうとする。
・仲の良い友達の悪口を陰で言うなど裏表がある。
・群れや同調に固執して異質なものを排除しようとする。
などでしょうか。
ただ、悪いところをあげつらうだけでなく、嫉妬の気持ちなどが生まれやすい背景や、受けとめることの大切さなど、
どうすれば上手に付き合う事ができるのか、という建設的な内容でもあります。
特に、嫉妬された時の対処法などは参考になるのではないでしょうか。
さて、こういったテーマの書籍はいつの時代も人気ありますよね。
少し前には『男性脳・女性脳』という男女の考え方や傾向の違いなどを脳科学的に考察した書籍もベストセラーになっていました。
人は『分類』したがります。
「自分は◯○なタイプ」
「あなたは◯○なタイプの人よね」
というように、大きなカテゴリに分けることで安心しようとします。
カテゴリ分けすることで、よくわからないものもわかったような気分になれるのかもしれませんね。
そのカテゴリ分けの最たるものが『性差』です。
男らしく・女らしく、という押し付けは誰もが一度は感じたことがあるのではないでしょうか。
私のカウンセリングの根底にあるのは『ヒューマニスティック心理学(人間性心理学)』という心理学の立場です。
簡単に説明すると
「人は一人ひとり独創的で違う存在なんだから、個人の個性を大切にしようよ」
そんなところでしょうか。
人と違っていい、その人自身を尊重していく関わりが基本です。
ここで最初の話に戻ると、
別に人間関係がめんどくさくてややこしいのって女性だけじゃないですよね。
てことが言いたいだけです。
確かに女性の世界には独特のルールや傾向も多いのかもしれませんが、
それを理由に「だから女ってやつは」と結論付けるのは別物だと思います。
女性の中にも、そういった独特の空気を嫌う人もたくさんいますし、
男性の中にも、そういった独特の空気を好む人もいます。
女性にとってすごく失礼な言葉に「女の腐ったような」という表現があります。
これって、男性に対して使う侮蔑表現ですよね。
つまり、男性の中にもそういった傾向にある人はいるわけです。
勿論、時代錯誤的な悪しき風潮や社会的な問題などはあるのですが、もっと根本の部分で、
『男性』『女性』と分けるのではなく、その人個人の性質や傾向が当たり前に尊重される風潮になることを望みます。
自称女子力高い男子、たるみでした。
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