長崎県の『軍艦島』(端島(はしま))が明治日本の産業革命遺産の一つとして世界文化遺産に登録されるそうですね。
実はこの通称『軍艦島』、昔から興味があったんですよ。
かつては海底炭鉱によって栄えて、東京以上の人口密度を有していたということなのですが、
総面積が0.063 km²という無人島に人口5267人(1960年当時)
人口密度にすると83600人/km2だというからものすごい密集感です。
当時の資料などで印象的なのが高層団地が立ち並んだ、まるで迷路のような建物群。
離島なわけですからそこに住む人たちのために、独立した都市としての機能も備えていたとか。
それこそ、商店街はもちろんのこと、娯楽施設としては映画館やスナックやパチンコ店もあり、
生活施設は小中学校、交番、病院、お寺や神社まであったそうです。
知って興味をもった頃にはもう廃墟化が進んでおり、観光気分でおいそれと立ち入れる場所ではなかったのでまるでおとぎ話のように思いを馳せていました。
何が魅力かと問われても上手くは答えられないのですが、
『非日常』というのはひとつの私の心を惹きつける一つの要因だと思います。
もちろんそこに住んで生活していた当時の人々からすれば『日常』なのですが、
時代が移り変わった現代では、そして関わりなく生活してきた私からすると間違いなく『非日常』なのです。
人は『非日常』に惹かれます。
それは小説の中の物語であったり、ゲームの中の冒険であったり、スクリーンの向こうのロマンスであったり。
心理学的に考察するなら、
日常での鬱積した叶えられない欲求を架空の非日常を通して疑似体験することによる代償行動、と言えるのでしょう。
そうすることで、我々は心のバランスを保っています。
私はよくカウンセリングを受けられる方にこう言います。
「カウンセリングの場は日常とは違う非日常なんですよ。だから、普段ではできないことや言えないことでもここでは許されるんです。さあ、あなたは何がしたいですか?」
もちろんすべてが許されるとは言いません。しかし、日常で解決できないことがあるからカウンセリングに来るのだから、日常と同じ空間では意味がないように思います。日常と陸続きではあるのだけれど、少し違う非日常。
そんな空間を提供できたらそれは意味のある有意義な時間となると思っています。
いつか軍艦島に行ってみたいたるみでした。
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