2015年9月17日木曜日

心にぐっとくる名言②


「この世には不思議な事など何もないのだよ、関口君」

京極夏彦著の長編推理小説である、「百鬼夜行シリーズ」の第一弾でもある、『姑獲鳥の夏』から、あまりに有名な台詞です。

この京極堂シリーズを象徴するような決め台詞として知られていますが、他にも名台詞揃いです。
同シリーズ『陰摩羅鬼の瑕』にもこんな台詞が。

「謎とは知らないこと。不思議とは誤った認識」
この京極堂シリーズはミステリでありながら、オカルト(妖怪)がストーリーの根幹にあり、かといってオカルトで謎を描くのでなく、あくまで人間の心理を描いたミステリという、なんとも表現の難しい推理小説です。
そもそも推理小説と括ることにも疑問があるといいますか。

私がなにより気に入っているのは、このシリーズに共通する『認識論』から始まる妄想や空想をミステリの一部として描いているところなんですね。
それはともすれば、推理小説としてのミスリードとしても機能しており、曖昧なままで進んでゆく物語に感じる、
「自分は今正しい認識を保てているのだろうか」
という油断のできない描写です。

人というのはその『認識』を頼りに世界を『解釈』しています。
つまり、起きている出来事をどのように『理解』するかによって、その世界は一変してしますということですね。

このブログでも度々、『認識』の変容による問題解決の方法というのを、カウンセリングのアプローチを通して紹介してきましたが、それをミステリという物語の中でまさにトリックの一つの装置として組み込んでいます。

自分の解釈がどれほど曖昧なもので、それが時に自分を助け、時に自分を苦しめるものなのか。
結局のところ、幸福も不幸も自分次第といってしまうとあまりに乱暴ではありますが。

少なくとも「わからない」「どうにもならない」と放棄してしまっていることは、
決して解決方法がないのではなく、解決方法を『知らない』だけなのだと。

そう思うことで、この世には解決しない悩みなど何もないとそう信じています。

人の心はオカルトよりもミステリアス。たるみでした。


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