2021年12月31日金曜日

2021年を振り返る



12月31日。大晦日ですね。
皆様は如何お過ごしでしょうか。

毎年、日本漢字能力検定協会がその年の世相を表す漢字ひと文字を清水寺で発表していますが、今年は『金』とのこと。
理由としては、やはりオリンピックで日本人選手が多くの金メダルを獲得したことや、大谷翔平選手や藤井聡王位らが各界での金字塔を打ち立てたことだそうです。
オリンピックイヤーは『金』の登場率が多いことや、『金』字塔ってちょっと無理がないかな?など思いもしましたが、去年のコロナイメージの強い『密』よりはポジティブな印象なのでいいんじゃないでしょうかね。

さてでは私の個人的な今年の漢字は、

『早』

にしたいと思います。

とにかく今年一年過ぎるのが早かった。
理由はいくつか思い当たります。

まず、単純に仕事が忙しかったのはあります。
というのも、企業のメンタルヘルスや研修は徐々に再開し始めたとはいえ、未だ一時休止しているところも多く、その空いた時間をカウンセリングの枠に回したためというのはあるのですが、なにより昨年に引き続き新規のクライエントが今年もずいぶん増えました。

そして個人的な感覚として、季節感がなかったので印象に残らなかった。
季節のイベントといいますか、初詣や夏祭り、紅葉狩りにクリスマスなど世間の話題で季節を感じることってありますよね。「ああ、そんな時期なのか」的な。自分が参加するしないに係わらず周囲でそういった話題があると季節感を感じるのですが、今年も去年に引き続き中止や縮小も多く、いまいち空気感が感じられなかったのでしょうね。

振り返ってみるとやはり今年もコロナに振り回された一年だったのかもしれません。
来年は平穏で良い意味で普通な一年になることを願います。
きっと、これまでは当たり前だった日常が戻ってきたら、普通であることに感謝ができるような気がします。

それでは皆さん、良いお年をお過ごしくださいませ。


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ご理解頂けますようお願い申し上げます。

2021年12月30日木曜日

前向きに年末を過ごすコツ



早いもので、2021年もあと1日となりました。
当ルームは31日からお休みをいただきますので、普段は不定休営業をしている当ルームにとっては年に一度の定休となります。

といいますか、前回の更新からまたずいぶん間が空いてしまいました。
毎回頻繁に更新しようと心掛けながら、結局日々に忙殺されてしまう。このパターンももういい加減卒業せねばと思いまた今年も一年が終わろうとしています。

話は変わりますが、ここ数ヶ月は名古屋の栄の街はずいぶんと人が戻ってきたように感じます。かつての賑わいとまではいかないまでも、飲み会帰りらしき人も珍しくなくなってきました。
新たな変異株の心配はありますが、WITHコロナというんですか? 経済活動と上手く折り合いをつけてこのまま進んでゆきたいものです。

私はといいますと、今年もやはり基本的には仕事以外では巣ごもり生活の一年でした。
ワクチンを接種したといえども、仕事柄たくさんの人と接する機会が多いので、極力ご迷惑をかけることのないようリスク管理を優先した次第です。
唯一の遠出は親戚の法事で四国に行ったくらいですかね。うどん美味しかったです。

ということでもう年末です。
毎年この時期になると言っているので、またそれかよ、と思われてしまうかもしれませんが大事なことなので今年も言わせて頂きます。

一年が終わるといっても、ただの暦の上の話ですからね。別段焦る必要とかないんですよ。自分の人生は自分のペースで進めればいいので、年末の慌ただしい空気間に引っ張られる必要なんてないですからね。

どうしてもこの時期というのは、今年が終わるという空気のせいで『一年の成果』『今年の成長』などを意識してしまいがちです。
そして未達成ややり残しに対して、不甲斐なさや失敗などを感じて自分を責めてしま人が多くなります。
勿論、一年というきりのいい期間を持って自分を振り返るという機会は成長や達成の目安としては効果的だと思います。ですが、人にはそれぞれ都合やペースってもんがあります。
一年なんてあっという間です。たった365日でそうそう大きな変化は起こりません。
特に今年も、去年に引き続きコロナの影響が大きいイレギュラーな一年でしたしね。

年が変わるこの機会に一年を振り返るのは構いません。ですがそこに成功/失敗などの優劣をつけるのではなく、ただ今年の自分を思い返してみてください。
その上で反省点や満足いかないことが多いなら、これからすべきことを考えましょう。
まずは一つ、何から始めてみようとか、新しいことを試してみようとか、今年の反省を活かして違うことをしてみようとか。なんだっていいのです。
その時は『すべき』ではなく『したい』を考えてみるとなお良いでしょう。

一年の節目を有効活用するなら、後悔ではなくリセットとして捉えて、まずは自分が何をしたいかを自分の素直な心に問うてみてください。
そしてその為に何をすればよいのか、それを始めるきっかけとしてなら新年というのは気持ちが切り換えやすいタイミングになるのではないでしょうか。


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2021年11月16日火曜日

クアッカワラビーに学ぶ幸せ術



クアッカワラビーという動物がいます。
オーストラリアに生息する有袋類で、通称『世界一幸せな動物』と呼ばれ親しまれています。
通称の理由はその表情。クリっとした瞳とクイっと上がった口角、それに人を警戒しない懐っこさもあいまって観光客にも人気の動物だそうです。確かにとても愛嬌のある満面の笑顔のように見えます。彼らが実際楽しい気持ちでいるのかどうかは彼らにしかわかりませんが。

さてそんな話題から今回は『笑顔』についてお話ししようと思います。
笑顔でいると自然と気持ちが明るくなって楽しくなる、そんな効果を聞いたこと、または実感したことのある方も多いのではないでしょうか。
これ、斜に構えた解釈をすれば脳を騙して楽しい気にさせていると言うことで、もう少し詳しく解説すると快楽に関連する神経伝達物質であるドーパミンが笑顔の表情筋に反応して活性化する、という人体の機能っぽくてなんとも味気ない理由なのですが、結果的に楽しい気持ちになれるのならいい方法だと思います。
そして逆に、しかめっ面をしていると本当に不幸な気持ちになってくる。人間ってそういうものです。

人体の機能的なものだけでなく認知的な要因も含めるのなら、
笑うことで気持ちが楽しくなれば、自然と見える景色も変わってきます。たとえ現実は変わらなくても楽しいというフィルター越しに見た世界はきっと楽しげなものでしょう。案外楽しみなんて捉え方次第で何からでも見出せるものなのかもしれません。

スタートは嘘でも笑顔でいたらいつのまにか本当に楽しくなってきた、そう考えるとそれはもう立派なセラピーと言っても差し支えないのではないでしょうか。
実際カウンセリングでも、現在進行中で抱えている問題があるのだけれども、そのことをテーマにするのではなく気分転換に楽しい話をしたい、そんな希望をされる方も少なからずいらっしゃいます。
それってカウンセラーである私としてはとても素晴らしい考え方だと思ってるんですよね。
というのも、状況や物理的に今すぐの完全解決が望めない悩みに対してストレスを溜め込んでしまうのではなく、解決のチャンスが訪れるまで待つという選択も一つだと思っています。
「時間が解決してくれる」なんて私の立場が言ってはいけないことかもしれませんが、時間でしか解決できない悩みがあるというのも一つの真理だとも思うのです。
とはいえその時間を悩み苦しみ過ごすというのは精神的な負担が大きすぎてもたない、もしくは副次的な症状が起きてしまうこともあります。
例えば、心配事で寝つきが悪くなり、不眠になってしまい精神症状を引き起こすなどです。
そうならないために、強制的に楽しい気分にすることで気持ちをリセットして、直面しても解決できない悩みから一時的に目を背けてやり過ごすというのも、解決に向かった積極的な行動の一つだと言えるのではないかと考えます。
しんどい時や辛い時は、とりあえず笑うを目標としてみると、なにかしらの糸口が見えてくるかもしれません。 


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2021年11月1日月曜日

秋の空模様はまるで恋心のように移ろいやすい


 

11月に入りました。最近めっきり寒くなってきましたね、と思えば汗ばむほどに暖かい日もあったり。気候の定まらない寒暖差が激しいこの時期は自律神経が影響を受けがちなので体調管理には気をつけてくださいね。

安定しない大気模様を例えて『女心と秋の空』などと申します。
ですが、心が移ろいやすいのは女性だけに限ったものではありません。
というよりこの諺は元々は『男心と秋の空』という男性の浮気心を例えた諺でした。明治時代に時代背景やイギリスの諺の影響を受けて『女心~』が派生したようです。
本来は浮気心を例えた諺でしたが、だんだんと喜怒哀楽全般の情動に意味が広がっていったことから、男性に比べて情動表現が豊かな傾向のある女性のイメージになっていったのかもしれませんね。

さて、うんちくはこのくらいにして、本来恋心も含めて男女関係なく人の心というのは移ろいやすくコロコロと変わるものだということが言いたいわけです。
好きだったものが嫌いになったり、やりたいと思っていた事がやりたくなくなったりと、そんな経験は誰しもあるでしょうし他人のそんなところを見たことだってあるのではないでしょうか。
そういったコロコロと変わる気持ちをストレートに表現すると、不安定やわがままに思われてしまうかもしれないので我慢をしてしまうことも多いですが、素直な気持ちというのは案外一貫性がないものなのかもしれません。

一貫性がないことを意志が弱いとか自分勝手だとか考える方もいるかもしれませんが、ある意味それは自分の心に正直でいられているということでもあります。無意識なんて葛藤や矛盾や相反する感情などが当然のように同時に存在していますしね。

カウンセリングでは、その時によってコロコロ変わる感情にも寄り添っていくことによって、気持ちの積み残し・やり残しなどのないように処理していくという関わり方も大切な役割です。

そしてこれは感情だけでなく価値観などにも同じことが言えます。
その人の人生観の土台となっているような強い価値観だったとしても、生涯変わらず持ち続けるというわけでもありません。出来事や経験などによって価値観も日々変わっていきますし、持っていることで不具合を起こすような価値観であれば積極的に変えることも時には必要です。
大きな価値観を変える(捨てる)と自分が変わってしまうのではないか、そんな抵抗を感じる方も少なくないのですが、変わってしまうのではなく新しいものを取り入れると考えれば、それは『変化』ではなく『成長』として納得できるのではないかと思います。
価値観を広げる、という言い方もできるかもしれませんね。

人が生きるということは変わるということでもあり、瞬間瞬間で全く同じ自分というのは存在しないと言ってもいいでしょう。
自分を変えたい/変わりたいと思っているのであれば、全てを変えてしまうのではなく、どこをどのように変えたいのかを明確にすることで、より効率的に理想の自分に成長することも可能だと思います。


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2021年10月5日火曜日

知識は力なり



カウンセリングの中で、心や思考の働きなどについて心理学的な知識をクライエントさん説明することがあります。
心理教育的なアプローチの一種になるのかな?家族援助や教育領域などではよく使用されるのですが、カウンセリングでも有効なアプローチの一つになります。
例えば不安が強い方に対して、不安になるメカニズムを知ってもらうとか、不安軽減の対処法を伝えて練習してもらうとか。要するに専門知識を伝えることで問題の軽減を目指す方法です。

私は知識というのは大切だと考えていて、「なぜこんなことが起きるのかわからない!」と混乱したり無用な自責に囚われることなく「自分の今のこの状態は、こういう理由でなっているのだ」と自分に起きている症状や状態の理屈を知り把握ができることは改善への心強い味方となってくれると考えます。

わかりやすい例をいくつか挙げましょう。

例①
体調不良の時に電車で倒れてしまった人が、それ以来体調が悪くないのに電車に乗ると体調不良を起こしてしまう。
それは、一度倒れた時の恐怖が強く「またああなってしまうのではないか」という『予期不安』が強いストレスとなり症状を引き起こしている可能性があります。
これは認知療法の理論です。

例②
子供の頃に虐待など親と良好な関係を築けなかった人が、大人になってもいじめに遭ったり他者と上手く関係を築けない。
それは、幼少期に親との関係で「自分は愛される存在なのだ」という信念を獲得できなかったために、無意識に同じような経験を繰り返そうとしている可能性があります。
これは交流分析という理論です。

このように、自分の心で起きていることなのに本人は自覚できずにいることで、症状や傾向として問題を引き起こしてしまうことがあります。
※上記の例はあくまで一つの可能性というだけで、必ずそうだと決めつけるものではありません。カウンセリングではその方の詳しい状況をお伺いしながら様々な可能性を探してゆきますのでご安心くださいませ。

そしてこれは冒頭で言ったように、本人だけでなく家族やその障碍受容にも言えることです。発達障害のお子さまに対しては、親が発達の仕組みや段階を知ることで適切な関わりの指針にもなります。

少し話が外れますが、私は子供の頃いわゆる怖い話が好きでした。時代的に冝保〇子さんなど霊能者がたくさん活躍していた時代でもあったのもあるでしょう。
よく出てきた霊体験の経験談で、「巨大な顔が襲ってくる」「部屋に知らない人が現れる」など未知の現象を当時は恐ろしく感じていました。ですが今になれば、それらの現象は認知症の典型的な症状であり霊現象ではないことがわかります。
※認知症の中での『レビー小体型認知症』です。近年では漫画家の蛭子能収さんが公表されたことで話題になりました。
※これもあくまで可能性の一つです。私は霊的現象を否定する立場というわけではありませんので誤解なきようお願いします。

色々な領域の話をしてしまいましたが、お伝えしたいことをまとめると。
まずは自分に起きていることを把握し、原因があるなら原因を明確にして、よくわからないものを理解ができるものにすることで自然と解決方法も見つかってゆく場合もある。ということです。
経験上、理解ができたことで自ずと問題が解決するという例も沢山見てきています。

自分で上手く整理できなかったり理解ができないことも、意外と専門分野では研究されていたりします。
私たち専門家はそういった知識と経験を持って、丁寧に話を聞くことで様々な可能性を模索しながら、その方にとっての最良の解決方法を探すお手伝いをしてゆきます。


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2021年9月21日火曜日

近況報告的なもの



いやいや、前回の更新から随分空いてしまいました。
なんだか毎回こんなこと言ってますが・・・。流石にあまり更新が止まっていると心配のお声も頂いているので、近況報告をさせていただこうかと。

9月21日現在、愛知県もいくつかの都道府県と同様に緊急事態宣言が引き続き発出されています。
コロナ禍ももう2年に差し掛かろうかとしています。当初はここまで長期化するとは誰が予想できたでしょうか。
幸いなことに、当ルームのスタッフはじめ利用頂いている方たちには感染の報告はなく、日々のカウンセリング業務も変わりなくご提供させて頂いております。
いや、変わりなくということはないですね。対面からスカイプに移行されたり、県外にお住まいの方には継続をお休みされている方もいらっしゃいますし、そもそもマスク着用でのカウンセリングという変化はあるものの、営業自体は通常通り続けさせていただいているといった感じです。

とはいえ、不要不急の外出への自粛が呼びかけられているので、継続利用の方を中心にして、新規のクライエントへ積極的に呼びかけるような行動は控えていました。
ブログ更新を休止していた最大の理由はそれでして、コロナ過がせめて収束するまでは少し身を潜めておこうかと考えていました。
もちろん自主的に問い合わせを頂いた新規の方をお断りをする理由はありませんので、現在も通常通り新規のお問い合わせもお受けしていますのでご安心くださいませ。

あとは単純にとても忙しくブログに時間を割く余裕がなかったという理由もあります。
というのも、皮肉なことにむしろコロナ過になってから新規でのカウンセリングの件数は増えています。

理由は色々考えられます。
先の見えない不安、閉塞した空気感によるストレス。
なにより人との関わり・接触を減らさざるを得ないことでの心理的な影響も大きいでしょう。
逆に、外出自粛やテレワークにより家族の時間が増えたことで、これまでとは違った家族間の距離感への戸惑いもあるようです。
更に、一人の時間が増えて自分自身について考える機会が増えたことで、これまで向き合わずにやり過ごせてきた問題と直面する方も少なくありません。
要するに生活様式の強制的な変化は、これまで内包しつつも表面化していなかった問題から目を背けることができなくなった、というケースが多いように感じます。

例えば、自分の存在価値に対する不安や恐れを紛らわすため、常に他者と一緒に行動することで安心を得ていた人がその機会を奪われたとしたら、どこで自身の存在を認めればよいのでしょう。
また、円満とはいかないまでも均衡が保たれていた家族が、顔を合わす機会が増えることで衝突が増えてしまうのも自然なことかもしれません。
もっと単純に、日々の愚痴を飲みの席で聞いてもらうことで発散することで何とか凌いでいた人がその場を奪われたら。
そう考えると、今の情勢はメンタルの安定にとって誤魔化しの利かないシビアな現実を直面させる要因のなんと多い事かと思います。

そんな背景もあるのでしょう、結果的にコロナ前よりもカウンセリングの予約が急増しています。
偶然なのかなるべくしてなのか、現在当ルームは感染対策として企業研修を一部休止していますので、その空き時間もありなんとかカウンセリングのご希望の大部分にはお応えできている現状です。
このような時勢だからこそ、メンタルケアが求められるのでしょうし、カウンセラーとしてお役に立てる時なのだと思い、日々業務にあたらせて頂いております。

近況報告のつもりがまるで決意表明のようになってしまいました。
この世界規模で起こっている未曽有の危機的状況を、皆で乗り越えるために今できることを尽力してゆきたいと思っています。
一人では抱えきれない悩みがあるなら、一度相談くださいませ。

※当ルームでは感染対策として、アルコール消毒液設置、椅子・テーブル等消毒の強化、お部屋の換気、所属カウンセラーのワクチン接種と定期検温とこまめな手洗い、マスク着用等を徹底しております。
ご利用のクライエント様にもマスク着用を願いしておりますので、ご理解頂けますようお願い致します。


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2021年7月20日火曜日

ストレスに弱いと思っている人へ



7月も中旬になり梅雨も明けて、だんだんと暑さが厳しくなってきました。今日(7月20日)も名古屋は猛暑となりそうです。

さて、私は季節の変わり目ごとに体調管理の重要性をお伝えしているわけですが、その理由は何といっても私自身が寒暖差にとても弱いからだったりします。
とはいえ別段持病があるわけではないのでご心配は無用なのですが、どうも寒暖差の大きい時期は疲れやすかったり風邪をひきがちだったりと、困ったものです。

私に限らず、季節の変わり目は激しい寒暖差から自律神経が乱れがちなので心身共に調子を崩しやすいので気をつけましょうね、と私は日ごろからクライエントさんにも声がけをするようにしています。

さて、どうして寒暖差が悪影響を及ぼすのでしょうか。
一言でいうなら『ストレス』だからです。

ストレスというと精神的なイメージをしがちですが、本来『ストレス反応』とは、外界からの刺激に対する反応の総称です。
つまり、刺激である以上何かしらのストレスにはなっているということ。

ストレスの度合いを測定する方法として『ホームズとレイのストレス度表(社会的再適応評価尺度 Social Readjustment Rating Scale:S.R.R.S.)』があります。
人生のイベントと感じるストレスの値を100点満点で評定したものには、『結婚』や『昇進』もストレス要因として挙げられています。

つまりネガティブな出来事でなくても、心身への変化という刺激はもれなくストレス因子であると言えるでしょう。

そしてストレス症状が出る際のストレス因子は、多くが単一ではなく複合的なものです。

仕事でミスをして気分が落ち込んだり身体症状が出るといった話がよくありますが、詳しく聞いてゆけば仕事のミスだけでなく、『疲れ』『寝不足』『人間関係』『体調不良』などが同時に起きていたりするものです。
だから、ストレス症状が出たからと言って、
「自分は弱い人間なのか」
そんな風に思う必要はなく、
「今自分には様々なストレスが重なっているのだな」
そう考えて、ストレス因子を明確にして、可能なものから軽減してゆくことで、症状が治まる例はたくさんあります。

更に、ストレス因子が一つでないなら、ストレス軽減の方法も一つではなく、色々な方法を試してみることで意外な改善も期待できます。

実例として、仕事の不安でストレス症状(気分の落ち込みや胃腸障害)が出ていたクライエントが、生活習慣や食事を見直すことで症状が軽減した例もあります。仕事の状況は一切変化していないのに、それ以外のストレス因子を減らすことでストレスの総量が減った効果かと考えられます。
なので我々心理士は、時に生活指導などが求められることもあります。

悩みの原因は一つだけではないと同時に、解決方法も一つだけではない、というのは解決が困難な問題を抱えている方にとっても希望となる発想なのではないかと思います。

そのために、まずは問題・悩みを整理して、丁寧に扱ってゆくことが必要になります。
カウンセリングがクライエントさんのお話を聞くことを重視しているのはそのためです。
カウンセリングでは、どんなテーマでも内容でも制限はありません。自由に存分に語っていただけることが解決や改善に大事なのです。


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2021年5月23日日曜日

雨音の癒し効果



今年は例年より早い梅雨入りだそうで、しばらくは雨の多い日が続くのでしょうね。

梅雨に限らず雨というのは気持ちが滅入ると言われがちですが、最近は雨の音に癒されるというリラクゼーションミュージックなるものもあるそうです。
なんでも、f/1揺らぎを有していて安眠効果もあるのだとか。

確かにリズミカルな雨音は音に集中できて気持ちが落ち着くかもしれません。
そもそも、単調な音というのは気持ちの平静をもたらすものだそうで、刺激の少ない単調なのリズムや一定間隔で線路が鳴る電車の音、そういわれてみれば、私はお経の際の木魚の音なども気持ちが静かになる感覚を受けます。
(ちなみにお経の際に木魚を鳴らすのは居眠り防止という説もあるとか)

この単調な音に対する癒し効果の理由として、母体にいる頃の母親の心音を彷彿とさせるという説もあるのだとか。
そもそも暗くて狭くて暖かい場所を好む傾向を『胎内回帰願望』と呼びます。
我々人間は、究極の安全空間として母体というのを潜在的に求めているのかもしれません。
押し入れなど狭い空間が落ち着く、毛布を頭からすっぽりかぶると安心できる、なども近いのでしょう。

母体とまでいかずとも、人は成長して大人になってからも子供時代に対する回帰願望というのは往々にして見られます。
わかりやすいのが恋愛で、成人が恋人に望むものは子供の頃に親(特に母親)に望んでいたものに近い気がします。
例えば、身体的な素肌の接触による心地よさというのは、子供の時は親に求め、大人になってからは恋人に求める。その根底には、かつて親に抱かれた時の安心感や安全を求めるという側面もあるのではないでしょうか。

我々は生きている限り外部からのストレスを受けており、自覚・無自覚に関わらずそれらストレスを癒すことを望んでいるのでしょう。
特に近年、リラクセーションやストレスケアのコンテンツが人気ことからも、現代人はとても多くのストレスを抱えていることがわかります。
そんな中だからこそ、心を穏やかに安定して過ごすためにも、自分なりのストレスケアの方法というのを持っておくというのは大切なことなのだと思います。


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2021年5月8日土曜日

集団心理におけるマナーとかそういう話



さて、最近はコロナ蔓延防止の一環として夜の飲食店や酒類の提供の自粛が行われていますが、そういったこれまでとは違うことをすると、どうしても新たな問題も生まれてしまうもので。

顕著なのは、いわゆる外飲みでのゴミ持ち帰らない問題だとかですね。
外飲みの是非はともかくとして、ゴミは持ち帰ろうというのは子供の頃から定番で教え込まれているマナーのはずですが、何故か守られない。

他にも、コンビニなど商店での買い物袋が有料化されてから、明らかに街にゴミが増えたと感じます。
私のオフィスは名古屋の繁華街付近にあるので特に実感します。朝の出勤時など、おにぎりやパンを食べ歩きしたであろうゴミが道路のあちこちに放置されています。

また、歩きたばこ禁止区域が増えたことで灰皿が街から減りました。その結果、吸い殻のポイ捨ても増えました。そもそも歩きたばこをしている人は以前から一定数見かけていましたが、灰皿が無くなったことでポイ捨てせざるを得ないのでしょう。百歩譲って携帯灰皿という便利アイテムもありますが、歩きたばこする人の灰皿不携帯率は高いようです。

とまぁ、時代の変化や時勢に伴って生活様式も変わると、『変化』と『新たに起きる問題』というのはセットなのでしょうね。残念ながら。

とはいえ不思議なのが、考えるまでもなくマナー違反だというのに、どうして人はそういった行動をしてしまうのでしょう。
ここで興味深いのは、マナー違反は集団であるほど起きやすくなるということ。

例えば、飲み終えたペットボトルが邪魔だと感じていても、周囲の人がその場に捨てずにカバンにそっとしまっていたら、おそらく大多数の人がそれに倣うでしょう。逆に、周囲の人がその辺にポイッと捨てていたら、やはり倣って自分もポイ捨てしまう人が多いのでは。
こういった現象を群衆(集団)心理と呼びます。

多くの人数が比較的近い場所で共通の関心を持った状態を『群衆』と呼びます。そして人は群衆になると理性や自制心が薄れ、極端で異常な行動をとりやすくなる傾向があるとされます。
これを『集合心』による働きと解釈したり、個人が集団に埋没した状態として『没個性化』とも名付けられています。
極端な意訳を恐れずに簡単に言うとすれば、『赤信号みんなで渡れば怖くない』というやつですかね。
数年前の渋谷でのハロウィン騒ぎなどもこの理屈で説明がつくでしょう。

自分が所属する集団も環境の一つと考えると、人は環境に大きく影響を受けます。
環境と心理の関係では、『割れ窓理論』や『地下鉄の落書き』が有名です。
建物の窓ガラスや落書きを放置すると犯罪率が上がる、つまり荒れた印象はより荒れた状況を招いてしまうという理論です。

人は単体ではそこまで悪事を働かない(働けない)が、それが許容されていると勘違いできる環境を与えられると簡単に超えてはいけないラインを越えてしまうのですね。

とすると、世の中が善人の比率が増えればもっと平和になるのかもしれません。
何をもって善か悪かという定義はまた別のテーマですけどね。

『情けは人の為ならず』という諺、ちなみに英語では「Today you, tomorrow me」(今日のあなたは明日の私)となりますが、巡る因果というスピリチュアル的な考えではなくて、単純に、善人が増えたら自分が善人に巡り合う確率も高くなる、という解釈もできるかも。

ということで、できる範囲で正しく生きよう、そう心がけたいと思った次第です。


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2021年5月3日月曜日

年を取ると涙もろくなるのは何故


 

春先は家庭の庭先や街路樹で色鮮やかに咲くツツジがよく見られ、赤白ピンクと色とりどりで綺麗だなぁとつい通勤途中でも見入ってしまいます。
子供の頃はツツジなんて蜜が吸える花、程度の認識しかなかったんですけどね(笑)
(ちなみにレンゲツツジの蜜には毒もあるそうなので吸うのは控えたほうがよいみたいです)

私の実家の庭にも、ツツジに限らず色々な花が咲いていたのですが、若い頃はとんと興味がなかったものです。
それこそ、旅行に行っても景色よりご当地の食べ物や買い物が目的で、景観に心を動かされるという発想はあまりなかったように記憶しています。
ところが40歳も半ばになった今、草花や美観などいわゆる美しとされているものの良さが理解できる自分がいることに内面の変化を感じます。

内面的な変化という意味で、年を取るにつれて情動が反応しやすくなっている気がするのです。
それがタイトルにもある、加齢に伴い涙もろくなる、という通説に繋がるのですが。
自分でも実感しつつ不思議に感じます。
加齢に伴い人生経験が増えてくれば、逆に新鮮さが無くなり鈍化するようにも思えるのですがね。

そこで私の専門である心理という側面からの仮説をひとつ考察してみました。
日々の生活でストレスや負担を感じているにもかかわらず、我々大人というのは感情を出す機会が極端に少ないのではないかと思うのです。その結果として、小さな刺激に対しても過度に反応しやすくなっているのではないかと。
例えるなら、ダムの水量が常に表面張力ギリギリで簡単に溢れやすくなている、という感じでしょうか。
抑圧された感情というのは、常に表出のチャンスをうかがっていると考えています。
なので、涙もろくなっているのではなく、張り詰めた風船のような不安定な状態の感情がゆえに決壊が容易なのではないか、と仮定します。

ちなみにとある番組では以前にこの疑問に対する答えとして、
成長すると共感力が高くなると共に、脳のブレーキが緩む。という理由だったそうです。要するに前頭葉の一部の老化現象ということで、他にも涙腺の老化で涙が出やすくなるなどもあるそうです。
確かに加齢に伴い怒りっぽくなったりする傾向はありますね。

脳の器質的な変化は要因として説得力がありますしそれも間違いなく正解なのでしょうが、やはりそれと同時に感情表出の機会の減少というのもあるのではないかと思います。

若い頃や子供の頃は、良い意味でくだらないことに対しても一喜一憂して素直に感情を表していました。
しかし大人になるにつれ、「こんなことで怒ってはいかん」「悲しむことじゃないよ」と知らず知らずに感情の価値を下げてしまっているように思います。
社会性を考えればそういった冷静さは必要なのですが、たまには自由に感情に任せてみるのも心の健康には必要なのかな、そんな風に思います。


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2021年4月28日水曜日

新人の憂鬱 ~5月病にならないために~




4月は新生活の季節。
会社、学校など新しい環境での生活をスタートさせた方も多いのではないでしょうか。
新しい環境というのはそれだけでストレス要因となります。
この時期はどうしても無理をしやすく頑張り過ぎてしまった結果、5月になると体力も気力も尽きてダウンしてしまうことも少なくありません。いわゆる5月病というやつですね。
ということで今日は、5月病にならない心構え的なものについてお話ししようかと思います。

まず第一に、『完璧を目指そうとしないでもいい』ということです。
どうしてもね、新〇〇というと気負ってしまて、知らず知らずのうちに完璧を目指そうとしてしまうものです。
ですがね、そもそも慣れない環境で完璧な結果なんてそうそう出せるものではないし、周囲だってそんな期待はしていないでしょう。
意地悪なプレッシャーをかけてくる人もいるでしょうが、そんなのはごく一部。まともな人なら新人に過度なプレッシャーは逆効果であることはわかっています。

そう言われても「できない奴だと思われたくない」と一番自分を追い詰めているのはおそらく自分自身です。
良く言うなら、努力家・志が高い・自分に厳しいストイックな性格と言えますが、物事には裏表両面があります。時としてそんな性格の長所はマイナスに働いてしまい、努力しても達成できない状態が無力感や自責に繋がってしまい、その結果本来の実力すら発揮できないほど心が疲弊することになりかねません。
何事もいきなり完璧にできる人なんていないし、初めは失敗して当たり前です。今は新しことにたくさん触れて、経験を積んで未来へ活かす為の土台作りだと思ってください。

仕事だって勉強だって人間関係だって、成功と失敗を繰り返して成してゆくものですし、長期的に見ればその時は失敗だと思っていても後に成功のきっかけとなることだってあります。

誤解しないでくださいね。「頑張るな」ではないです。「完璧を求めすぎるな」ということです。
そもそも我々が思い描く完璧など本当にあるのでしょうか。それを実現している人はいるのでしょうか。
「あの人は完璧だ」そう思う人がいるかもしれません。でも我々が知っているのはその人のほんの一部分です。一部分だけで比較してしまうのは良くないですね。
完璧だと思うその人にだって新人時代はあるしミスだってしてきているはずです。
現在の完成度ばかりに拘らずに、過去→現在→未来の流れを意識して、『今できること』と『未来の理想の姿』を繋ぐ努力が大切なのではないでしょうか。

最後に。
世間でよく言われる「3年頑張れ」説ですが。
3年耐えろって意味ではなくて、3年やればできることも増えて続ける自信も持てるのではないか、という意味です。
多くの仕事で、業務全体の流れやある程度の理解には3年かかると言われています。逆に言えば3年未満はできなくて当然なのかもしれませんね。
ですので、3年経ては状況が改善するわけではないので、大きすぎる負担の中で3年我慢することを推奨する言葉ではありません。
環境にはその人の傾向によって向き不向きはあります。誰にとっても良い環境というものはなく、感じ方は十人十色です。
大事なのは、自分の状態を自分がちゃんと把握して、辛かったら辛い、と言えること。
頑張るのも逃げるのも自分の判断です。そしてその判断基準もまた自分でいいのです。
自分の人生なのだから、自分で責任を取らなければならない代わりに、自分で決めていいはずです。
自分に対してだけは、無理して強がらず正直になれることが、後悔しないコツだと思います。

今日は全体的に説教臭い内容で申し訳ありません。
毎年この時期は新しい環境で必要以上に自信を無くす方が多いので、私なりの今頑張っている人たちへのエールの気持ちを込めてみました。

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2021年4月20日火曜日

今日からマンボウが始まります



愛知県でも20日からまん延防止等重点措置が実施されました。
略してマンボウというと、フグ目マンボウ科マンボウ属に分類される魚類を想像して可愛い気もしますが、実際は全然可愛くない緊急事態宣言一歩手前という油断ならない状況です。

最近は自粛にも慣れてきてしまい気が緩んでいるのも再拡大の要因の一つかと言われています。感染予防に熟練という意味での『慣れ』ならいいのですが、気が緩んでしまうという慣れは良くないですね。

とはいえ、ずっと非常事態気分では精神的にも参ってしまうでしょうし、多少は正常性バイアスなどが働いてストレスを軽減しようとする心理的安定をはかる作用も働いているのでしょうが、現実的な感染拡大予防との折り合いが難しいものです。

当ルームでは、マスク着用と手指の消毒、ケース終了毎の椅子・テーブルの消毒と、エアロゾル対策で空気清浄機による室内換気の対策を取ったうえで通常営業としていますが、心配な方はskypeカウンセリングも用意しておりますのでご希望とされる場合はお申し付けくださいませ。

感染予防に絶対はないですが、だからといってしなくてもいいというわけでもなく、そのラインはその人それぞれの価値観に委ねるしかない部分も多くなると思います。
マスク一つとっても着用効果が実証されているとはいえ100%ではないですし。そもそもコロナウイルスに対する見解も研究者によって脅威度も違うようですし。
マスク着用の必要性をめぐってのトラブルが起きるのも無理のないことだとも思います。
ですが、少なくともそこにリスクが発生するのであれば最小にとどめる為の努力は必要だと思いますし、社会的な風潮に適した行動を選択するという社会性も必要だと考えます。
個人的には、コロナウイルスは勿論、風邪だろうがインフルエンザだろうがリスクが存在していて対策により少しでもリスクが下げられるというのであれば対策をする理由には十分だと思って行動しています。

いつまで続くかわからないこの状況ですが、過度にストレスを感じすぎない程度に工夫しつつできる限りの感染予防をしっかりとして、かつ不要不急の外出や外食を避ける、という多少曖昧ではあるものの現在の生活をもうしばらく続けてゆくしかなさそうです。

健康、心理的ストレス、社会性など多面的に考慮したうえで、各々が自分のできる範囲の行動をして、この難局を乗り越えて平穏な日々が再び戻ることを切に願います。


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2021年3月31日水曜日

差別のない世界の作り方



昨今は『差別』というテーマが世間的な話題に上がることが多くなりました。
差別の対象は多数あり、人種・性別・障碍・家柄・生まれ・宗教・年齢・社会的立場・身体的特徴・思想など、さらに細かく分類してゆけば枚挙に苫がありません。

多様性が望まれる近年の中で根深く残る差別という問題。
差別というのは往々にして、その根底に『偏見』があります。
偏見とはその字の如く、偏った見方のことであり、アメリカの心理学者 ゴードン・オルポートは「偏見とは十分な根拠もなしに他人を悪く考えること」と定義しています。
つまり差別の一側面として、十分な根拠もないのに決めつける、ということが偏見となり差別を生むという考え方ができます。

更に、決めつけの対象は他者だけでなく自分自身にも向けられることもあります。
例えば「自分はどうせダメな奴だ」という自分に対する否定的な決めつけによって自尊心を自ら下げてしまうことも、カウンセリングの場では珍しくありません。

どうして人は決めつけてしまうのでしょうか。
その答の一つとして、『ヒューリスティック』があります。
ヒューリスティック (heuristic)とは、何かしらの意思決定の際に本人も無自覚に用いているほどに慣れ親しんだやり方や法則を指します。
幾つか種類もあり、我々がよく用いるものとして、

その人が人生の中で遭遇した実際の出来事を参考にして、原因や確率を推測する方法を『利用可能性ヒューリスティック』と呼びます。
経験則と言えば聞こえはいいですが、しょせん一人の人生での経験だけでは推測にも限界があるだろうに、人は確信を持ちやすくなります。

もう一つは『代表性ヒューリスティック』と言って、その人の元々持っていた固定観念に合った特徴ばかりを探し出して、大きな特徴のグループに属していると見なすこと。いわゆる『ステレオタイプ(固定観念や思い込み)』に都合のいい部分だけ見ようとする傾向のことですね。

これらヒューリスティックは我々の頭の中のコスト削減のために行われます。
何かを判断したり推論する時に、いちいち丁寧に根拠や情報を集めて整理していては処理が追い付かなくなってしまうので、自分にとってそこまで重要ではない事柄に対してはできるだけ頭のメモリを使わずに過去の経験や既存の知識だけで解決してしまうという事が起きます。
要するに、あまり考えずに楽ができるわけです。
脳がオーバーヒートしてしまわないために必要な機能ではあるのですが、合理性に欠けたり乱暴な決めつけにもなってしまうものです。

話を『差別』に戻しましょう。
差別とはこうしたヒューリスティック手法によって生まれやすいと考えられます。
簡単に言うなら、考えなしの決めつけが差別を助長すると言えるかと。
ならば差別を減らすために必要なことは、決めつけずにちゃんと考えて判断すること、となるのでしょう。
自分の持つ常識や経験則だけでカテゴライズ化して判断してしまわずに、一個人・一事物として先入観なく向き合うことが大事なのです。

私のカウンセリングのベースには『ヒューマニスティック心理学』があります。『人間性心理学』と訳され、その特徴は、人間を決定論的ではなく多面的な存在として、一人として同じ人はいない個人の尊重を重んじることにあります。
まさにその人間観こそが差別のない世界には必要なのではないでしょうか。


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2021年3月11日木曜日

10年という歳月


東日本大震災から10年が経ちました。
今年は10年の節目ということもあり、風化させない・忘れないというテーマで震災を扱うメディアが多いように感じます。

もう10年経つのですね。私は当時から心理臨床の業務に携わっていましたので、メンタルケアの現場で関わらせていただくこともありました。
被災者をはじめ日本中の人々がなにかしら心的な影響を受けていたことを鮮明に覚えています。

防災という観点で言っても、今後への対策としていつまでも忘れてはならない、風化させるべきではないことは明白ですが、10年という月日は人々の悲しみをどのように変えたのでしょうか。

カウンセリングに訪れるクライエントさんには、震災だけに限らず虐待や犯罪被害など過去の出来事に苦しんでいる方々も少なくありません。
そんな方たちが、問題解決や症状の緩和を実感された時に、自身の辛い過去に対しての変化を様々に表現されます。

「過去の出来事の捉え方が変わった」

「縛られていた過去から脱却できた」

「辛い体験を受け入れることが出来た」

そんな、過去と向き合い前へ進むことができた方たちの中で、このような表現をされた方がいました。

「過去の経験は変えられないけれども、思い出にすることができた」

この言葉に私は一つの答えをもらった気がしました。
過去に起きてしまった出来事はもはや変えることのかなわない事実です。
ですが『今ここ』の現在進行形の人生でも変わらぬその苦しみを感じ続けるのではなく、悲しい過去もその人を形成する要素の一つとして、過去を持ちつつ『今ここ』の人生を生きることが、過去の乗り越え方の答えの一つなのではないかと。

とはいえ、10年という歳月は直接被害を受けなかった人たちにとっては過去の出来事として割り切れるものかもしれません。10年ひと昔と言いますし。
ですが、当事者にとっては10年という月日は思い出にするにはまだまだ短すぎる年月でもあるでしょう。

感情の処理・整理は、その大きさや種類によってかかる時間は様々です。
みんなが乗り越えたから私も乗り越えられる、そんな単純なものではありません。
一人ひとり背景が違うように、感情も同じではないのですから。
自分のペースで自分の過去や感情と向き合ってゆけば、きっといつか答えが見つかるものだと思います。

現在も震災の影響を受けている方々の一日も早い回復を心より願います。


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2021年2月9日火曜日

緊急事態宣言のストレスの原因と対処法ヒント



 一部都道府県に発出されている緊急事態宣言の期間延長が決定してしまいましたね。
この状況にストレスを感じている方も少なくないようです。

『コロナ疲れ』というワードは、本来のコロナウイルスの感染症という脅威ではない所にも我々に影響を及ぼしているという意味で象徴的な言葉に思えます。

一つの要因として、一体いつまでこの状況が続くのか、そして緊急事態宣言下でどのような行動をとるべきなのか、それが明確に分からないというストレスがあります。
人は、先が見えない、具体的な方法が提示されていない、現状の説明がなされない、そんな状況に対して不安や焦りを感じやすい傾向があります。
要するに、『よくわからない』ということ自体が不安を感じてしまうのです。

逆に、自分の予想通りに事が運んでいたり、経験したことのある事態にはある程度安心して望めます。
経験あるのではないでしょうか。
仕事でトラブルに見舞われた時、それが大きなトラブルだったとしても以前に経験したことがあれば落ち着いて対処ができるが、小さなトラブルでも未経験の事態には必要以上に焦ってしまうこと。

『知っている』『理解ってる』というのはそれだけで安心材料となり、『知らない』『どうすればいいかわからない』というまさに今のコロナ過という未体験の非常事態は我々にとって非常に大きな不安となっていると思われます。

では、我々はせめて心の安定をどのように図ればよいのでしょうか。
ヒントは、自分で基準を決めること。

国から一定のガイドラインは発表されているものの、日々の行動を一つ一つ指示してくれるほど丁寧なものではありません。
「不要不急の基準って何だろう?」
「マスクを外していい場所ってどこまでなら許されるのかな」
そんな感染予防や自粛の基準に悩んだこともあるのではないかと思います。
一律のルールを決めてくれれば悩まなくて楽なのかもしれませんが、生活様式は人それぞれですからそれは無理なのでしょうね。
なので、はっきりとした基準が提示されていない部分に関しては、個人で基準のラインを決めてしまうことで、
『どうしよう』を『こうしよう』にしてしまうということです。

とはいえ、社会は自分一人ではないので、あなたのOKをNOと判断する人もいるでしょう。
その時は固執し過ぎずに、必要があれば柔軟に周囲の意見も取り入れてまた新たな基準を作ればよいのです。
大切なのは『自分で決める』こと。
そうすることで、自分のとるべき行動がずいぶん明確になるのではないかと思われます。

そうすれば逆に、曖昧な状態を受け入れるというのも可能になります。
流動的で正解のない状況に対して柔軟に任せるスタンスだとしても、否応なしにそうせざるを得なくて流されるのではなく、自分で曖昧であることを選択するのであれば、その時その時で状況に応じた行動が選択できるようになります。
これはコロナ過でなくとも、自分の思い通りにならない社会の中でも結構重要な上手な生き方なのかもしれませんね。

どちらにせよ『自分で決める』ことは余計なストレスを受けずに自分の安定を維持して生きてゆく為には必要なものとなります。
自己を統制できる感覚というのは、対人関係でも重要な要因となりますし、自尊感情にも関わるものです。
自分で決めることができるからこそ柔軟な思考も可能になり、自身の能力を発揮する動機にもなります。
どうすることが正解なのか明確な答えがない今だからこそ、自分の行動を自分で決める力が求められるのかもしれません。


2021年1月30日土曜日

心までソーシャルディスタンスしなくていい


 

お寒うございますね。

さて、非常事態宣言下での外出自粛。なかなか友人や親族など、人と会う事に制限があるこのご時世。仕事もリモート推奨ですしね。
普段から外食やお出かけなどを頻繁にしていた方からは、人と接する機会が少なくなり寂しさを感じて気分が落ち込むという声をしばしば聞きます。

一人の時間が増えることで、良くも悪くも考えないようにしていた問題を否応なく意識してしまうとカウンセリングを訪れた方もいました。
そのせいか婚活市場はコロナ禍以来賑わっているそうで、やはり人は一人では生きてゆくことは難しいのだなと、改めて考えさせられます。

何故、人と関わらないことがそんなにも苦しのでしょうか。
そんな問いの一つの答えが『ストローク』という概念です。

交流分析という心理療法・分析理論の中の概念なのですが、創始者であるBerne.E(エリック・バーン)曰く、「あなたがそこに居ることを私は知っているという存在認知の刺激」という意味を指します。
要するに、自分が存在していることを他者が認めてくれると確かめられるような行動、という事でしょうか。

触れてくる、話しかけてくる、目線を合わせてくる、微笑みかける、などの行動は相手が居ないと成り立たないわけで、自分に対してそれをしてくれるということは、存在を認めてくれているということです。透明人間じゃなく接してくれていると言えばわかりやすいかも。
そんな『ストローク』には肯定的・否定的や条件付き・無条件など種類があるのですが、それはまた別のお話で。

今日お伝えしたいのは、この『ストローク』のことを創始者エリック・バーンはこうも言っています。
「人はストロークを得るために生きているといっても差し支えない」
つまり、我々は他者と関わることで自分の存在を認識してもらうことが生きる目的と言えるほどに大切なものなのだ、そう重要視しているのです。

人と会う事への制限がかかる現状は、我々の『ストローク』を得るチャンスに大きな障害となっています。
さして意識をせずに、朝は出社や登校したら挨拶をして、話しかける時には目を見て、親しい相手とはボディタッチをして、そんなこれまでは当たり前のように行っていた行動の一つ一つは、自分という存在を他者との接触によって確かめる大切なものだったのだと再確認させられます。
いつまで続くのはわからないコロナ過の中で、私たちは今ある『ストローク』をもっと大切にしていかなければならないのかもしれません。

直接会うことはできなくてもメールや通話はできます。
着信音はある意味「ねぇねぇ聞いてよ」というメッセージと思えば無機質な電子音も温かみを感じられるかもしれません。
一回のチャンスで伝えられるストロークが足りないなら、電話やメールの数を増やすことで回数で補えるかもしれない。
ボディタッチや視線でコンタクトができないなら、文章や言葉にその気持ちを加える工夫だってできるかも。
例えば、相手の目を見て笑顔の表情で「がんばってね」と伝えたなら、言葉以上のメッセージが伝わります。同じ気持ちを言葉だけで伝えようとするなら「〇〇さん、がんばってね(*^^)v」と名前を呼んで顔文字をつけることで少しは気持ちが乗せられるかもしれない。

これまでと同じは無理でも、少しでも心の距離を近くする工夫はできるはずです。

感染対策としてソーシャルディスタンスは必要なのでしょう。
ですが心の距離まで離してしまう必要はなく、身体的な距離が近づけないからこそ心の距離をこれまで以上に近しく感じられるコミュニケーションを努力することが必要な状況なのかもしれません。


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2021年1月20日水曜日

震災から26年


26年前の1月17日、阪神・淡路大震災が発生した時、私は高校生で関西に住んでいました。
早朝に大きな揺れで一度は目が覚めたものの、被害はなかったので二度寝をして目覚ましで起きてテレビをつけて。ブラウン管に映っていたのは見慣れたはずの街の変わり果てた姿でした。
私の住む地域は大きな影響はなく、通っていた学校の壁にヒビが入って、机の上にコンクリ粉が降っていたくらいでしたね。
まさかあんなに大きな震災だったとは思いもよらず目を疑ったことを覚えています。

あれから26年経ちましたが、大切な人を失った方々、思い出の家や場所を失った方々の気持ちは、どれだけ時が経ってもなかったことにはならず、今でも思いと共に生活されている方も少なくないのだと思います。

そんな中、お笑いトリオ「安田大サーカス」の団長こと安田裕己さんのエピソードが話題になっているようです。
震災に遭い、親友も亡くされているのだとか。

そんな団長さんが、現在のコロナ禍と災害は共通するところがあると感じるところがあるとのことで、このようなことを仰っていました。

「『非常事態やから、みんなで頑張らなあかん』と無理をしたら、すぐに限界がくる」と経験上、知っている。だから、「他人を助けられるのは、自分に余裕があるときだけ。『頑張りすぎたらあかん』」と呼びかけることにしている。

これは本当にその通りだと思います。
他人を助けるのもそうだし、自分自身を助けるにも同じです。
そして、余裕を持つためには『自分を一番大切』にしていることが大切だと私は考えます。

カウンセリングに悩みを持って訪れる方に多いのですが、自分を一番に考えられていないというのはあまり良い傾向とは言えません。
自分を最優先にする、自分にわがままになる、とも言えるでしょうか。
勿論実際にいつも自分中心で物事を判断できない現実はあるでしょう。仕事だったり家族だったり、時には自分を犠牲にしても優先しなければならないことだってあります。

ですが、『何をするべきか』ではなく『何がしたいか』を常に自分に問いかけることは忘れてはいけません。

そう自問自答した末に、自分よりも何かを最優先するのであれば、それはもう自分の決断となります。自分が決断したことは不思議と後悔せずに納得できるものです。

ですので私はカウンセリングの中では常に、相談者様を一番に考えています。当人がそうできないでいる分、カウンセラーである私がその人のことだけを考えるようにしています。
色々な事情や状況もあるでしょう。ですがまずは自分を一番に考えてみる。
「自分はどうしたいのか」
それが明確になって初めて取捨選択が可能になると考えます。

これからカウンセリングを考えている方、
私が「あなたはどうしたいのですか?」と尋ねたら、どうぞご自身のことを一番に考えた、わがままでもいい、自分勝手で自己中心的なお答えを仰ってください。きっとそこが解決のスタートになります。
そしてもし、それがわからないという場合も安心してください。一緒に探していくのもカウンセリングです。


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2021年1月18日月曜日

餅は餅屋理論



肌寒いでございまさぁね。
年を取ると若い頃に比べて寒さに弱くなった気がします。

基本的な防寒対策として衣服があります。冬になれば厚着をして少しでも寒さから身を守ろうとするわけですが、私は防寒着に助けられて冬を越しているといっても差し支えないほどに厚着をしています。
体が冷えると免疫は落ちるし自律神経も乱れるしと、良い事ないですからね。

そんな防寒着は、コートにマフラー、セーターなど色々な種類がありますが、私の持論として『餅は餅屋』理論があります。

言うまでもないですが、『餅は餅屋』とは何事においても専門家に任せるのが一番良いという諺です。

防寒着は色々なメーカーが販売しているわけですが、やはり特化した、それも由緒のあるメーカーが機能的にも優れているということになります。
例えば、登山用品を専門にしているメーカーが思いつくでしょう。実際ここ数年は登山メーカーの商品が人気ですよね。
登山メーカー以外でもダウンジャケットは防寒着メーカーとして人気のあるブランドや、羽毛布団メーカーとの共同開発商品は、やはり群を抜いて暖かいです。

そしてこの法則は、防寒着だけでなくほぼ全てのものに言えると思います。
ニット製品、パンツ、シャツなども長い歴史や原材料へのこだわりを持ったブランドは着心地も段違いですし、服飾品だと靴・鞄・メガネ・文具なども専門のメーカーの品質の高さや使い心地の良さは一度知ったらもう戻れません。
昔は好きなブランドで全身を固めるというようなセンスだったのですが、年齢を重ねるにつれてブランドネームではなく品質に重きを置くようになりました。

さて、私は心理カウンセラーという肩書きで仕事をしているわけで、こと心理カウンセリングに関しては専門家だと自負しています。つまり心理学的アプローチや心理療法に関しては餅屋です。
ですが、だからと言って心理に関するすべてにおいて専門家であるというほど傲慢ではありません。
精神疾患の治療としての薬物療法なら専門家は医師をはじめとする医療従事者ですし、産業領域でのキャリアサポートにも、療育(発達支援)にも、介護支援にも、それぞれの領域に専門家が存在します。
そんな、それぞれの専門家がそれぞれの得意領域での能力を発揮することができる連携という形が理想となります。

先ほどのダウンジャケットの話もそうですよね。防寒着を作る服飾メーカーだけでは完成せず、羽毛を育てる専門家や、我々の元に届けるバイヤーも存在して初めて、商品として手にすることができます。
一人で全部やろうとするのではなく、自分のできること・できないことの適用範囲をしっかりと自覚した上で専門性を発揮することが、専門家としての責任であると思っています。

そして心理カウンセリングという領域は特殊なところもあり、様々なニーズや悩みを持った方が訪れる初めの場所であることが少なくありません。
「どうすればいのか」「自分に何が必要なのか」「自分はどうなりたいのか」「自分の悩みとは何なのか」「自分は今どういう状態なのか」
そんな行き詰ってしまった時にカウンセリングで整理をしたり気持ちを処理することで、相談者様にとって必要な答えが見つかるお手伝いという役割もあると考えます。
ある意味、心理カウンセリングに限らず、様々な悩みの解決のスタートのお手伝いをする専門家という側面もあるのかもしれません。


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2021年1月9日土曜日

イルカショーを見ていると涙が出る?


 

今日の記事タイトルを見て、共感できる方と意味が分からない方に分かれるかもしれません。何かの比喩ではなくそのままの意味です。

私自身の話なのですが、水族館で行われるイルカショー(イルカパフォーマンスと呼んでいる施設も多いようです)を見ていると、自然と涙が溢れてくる感覚があります。
不思議に思いネットで検索してみたところ、予想以上に同じ現象を経験している方が多く驚きました。
どうですか?心当たりのある方いらっしゃいませんか?

涙が出るという方たちでも理由は様々で、
「健気にショーを頑張るイルカに感動して」「一生懸命頑張る姿に子供の頃の自分を投影して」など。中には「人間の都合で無理やりにショーをさせられているイルカがかわいそう」という意見もありました。
勿論感じ方や感情の種類は人それぞれですが、私の場合はそのどれもしっくり共感に至らない。
敢えて言うのなら『心の琴線に触れた何か』が涙という形で表現されていて、特定の感情に対しての涙ではないような気がするのです。
こんな職業ですからね、自分の感情が明確でないというのは少し納得できなくて考えてみました。

そこで行き着いたのが『ドルフィンセラピー』です。
『イルカ介在療法』とも呼ばれ、歴史はそれほど長くはないものの治療効果は様々な研究で認められているそうで、主に自閉症スペクトラム障害や精神疾患、身体障害のリハビリに効果的とされているそうです。
現段階では治療理論は確立しているとは言い難いようですが、アニマルセラピーの一つとしては今後の発展が期待されます。
要するに、理由はよくわからないけれどイルカと触れ合うことで癒し効果はあるようだ、という感じですかね。

私なりの考察としては、一つはイルカという生物の知能の高さがあるのかと思います。
イルカはとても好奇心が旺盛で、野生下でも遊びに道具を用いたり、仲間同士で遊びを共有するというコミュニケーション能力にも長けた行動が見られるそうです。それは『共感力』の高さとも捉えることができ、同じく共感力が高い犬もドッグセラピーに用いられるところを見ると、この共感する能力というのがイルカに対して感じる感情に関係があるのかもしれません。

そしてもう一つは『エコーロケーション』。
超音波を使って視覚を補ったり、仲間同士のコミュニケーションにも使います。個体差はあるようですが何十種類も使い分けるイルカもいるそうで、それだけ複雑なコミュニケーションが取れるということですね。
そしてその超音波は我々人間にも知覚できるわけで、言語は違えども気持ちのこもった声は何かしらの影響を与えるのかもしれません。
つまり、イルカは人間とコミュニケーションを取れるのではないか?という前提が成り立ちます。

そして最後に、イルカの純粋さ。
人間のように複雑でなく純粋な気持ちを声(エコーロケーション)で、いっぱいの好奇心を込めて送ってくるイルカに対して、私たちは理屈でない心を感じ取っているのではないかと。
「いっしょにあそぼうよ!」
そんな純粋な気持ちをまっすぐにぶつけられたら、世間ずれしてしまって私の汚れた心(笑)でも心打たれてしまい、感情が溢れてしまうのではないかと、そう考えました。

『涙』というのは悲しさの象徴と思われる方も多いかもしれませんが、私の考えでは、沸き起こる感情が表現しきれなかった際に涙として溢れてくるものだと考えています。
だって、確かに悲しいと涙は出ますが、嬉しくても泣けてくるでしょう?

私はカウンセリングの中で、相談者さんの純粋でまっすぐなありのままの感情を受け止めた時に、自然と涙がこみあげてくる経験を幾度もしています。
(自己投影の類の涙でないことは自己分析や教育分析を通して自覚しています)

イルカショーを見ると泣けてくるのは何故か?について自説を長々と書いてしまいましたが私の結論としては、とても素直な生き物と気持ちが通じ合うことに感動して泣けているのだな。
ということで納得しました。


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2021年1月4日月曜日

中年の危機



人生を段階的に分けるという考え方があります。
心理学でも発達心理学という分野があり、発達というと子どもの成長というイメージが強いかもしれませんが(乳幼児発達検診とかありますしね)、成人後も含めて人生は生涯を通して変化・成長が続くという考え方が近年では一般的です。

乳児期から老年期まで8つに分けたり、もう少し大まかに4つに分けたりと、様々な研究者が説を唱えていますが、その中で30代後半から40歳あたりの青年から中年にさしかかる転換期を『中年の危機』として、捉える説があります。

中年期は、身体的な加齢による衰え、ライフサイクルの変化、仕事面での出来事など、心理的な危機が起こりがちで、うつ病等の危機に陥りがちな年代ということです。
程度の差はあれども、実に80%の人がこの中年の危機を様々な形で経験するとされています。

青年期までの人生はピークに向かって上昇しますが、中年期以降は喪失やその喪失を緩やかにするための維持が必要になっていきます。
青年の『思春期』になぞらえて『思秋期』とも呼ばれ、春から秋へと一年の終わりが、つまり人生の終わりが見えてくる時期ということですね。
日本でも、男性42歳、女性33歳・37歳の『厄年』という概念が丁度一致しているのも興味深いです。

この『中年の危機』を上手く乗り越えられないと、うつ病などの心理的な問題だけでなく、その後の人生の充実にも問題が起こりかねないとされます。
具体的には、自分のこれまでの人生の価値を認められなかったり、これからの人生への期待を持てなかったりと現実的な生活への支障が危惧されます。

そんな『中年の危機』を乗り越えるにはどのような方法があるのでしょうか。
もちろん、危機の要因は人それぞれなので、唯一絶対の方法という都合の良いものはないのですが、それでも共通していえるレジリエンスはあります。
(レジリエンスとは、人が困難や逆境の中にあっても心が折れることなく、柔軟に生き延びようとする力・要因のこと)

それは、葛藤を認めること。
中年期になると、これまでよりさらにシビアな葛藤を迫られます。
『老い』『死』『別れ』などが主でしょうね。それら葛藤は辛いものですが、目を背けることのできない現実です。
だからと言って、立ち向かえ!などと厳しいことを言うわけではありません。葛藤の苦悩をなかったことにして心の深くに押し込めて我慢してしまうのではなく、葛藤している自分自身を許してあげることです。

それは、自分の人生を振り返り、ありのままを受け容れることとも通じるでしょう。
これからの人生にあたり、これまで得てきたもの、技術や人脈、物質的なものも含むそれらの資源をこれからの人生にどのように活かしてゆくか、また老いとともに失ってゆくものを如何に維持してゆくか、中には諦めて手放さなければならない苦渋の決断を求められることもあるでしょう。
それら変化を様々な方向性から検討し、重きを置くものや手放すもの、形を変えてゆくものを自分の意志で選択し、自分にとっての納得や落としどころを見つけてゆくこと。

つまり自分の人生そのものと向き合うという心構えを整えることで、乗り越えることができると考えられます。

その為には周囲のサポートが必要になります。
家族や仲間たちや専門家の助けを借り、『これまで』と『これから』を繋いでゆく作業が効果的です。子供が成長する為に大人のサポートが必要なように、大人だって成長する為には助けが要るのです。
どうか、一人で乗り越えようとせずに周囲の力を借りて中年期を乗り越えましょう。


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2021年1月1日金曜日

新年のご挨拶



昨年中は格別のご厚情を賜り厚く御礼申し上げます。

なにとぞ本年もよろしくご愛顧のほどひとえにお願い申し上げます。


波乱の2020年から2021年になりました。

今年はどんな年になるのでしょうね。

とはいっても年が明ければリセットされるわけではないので、昨年の課題はまだ継続中なわけでして、なにはともあれコロナ禍が終息、せめて収束してくれることを願うばかりです。

さて新年最初のブログではいつも今年の抱負なるものを宣言しているのですが、今年は実はまだ決めあぐねています。ちなみに去年は『プライベートを充実させる』だったのですが、正直達成できた実感はありません。色々と制限が多い一年でしたからね、行きたい所もやりたい事もあったのですが、積み残しとなってしまっていることばかりです。

ということで、今年の抱負は『何か新しいことを始める』ということにしましょう。

フワっとしてるな、と思われたかもしれません。でもそれでいいのです。状況の読めないこの時代、柔軟な変化が求められると思います。だからこそ敢えて目標を曖昧にすることで、選択肢を広げて目標達成の可能性を高めようという作戦です。

本当はね、目標というものは出来るだけ具体的に設定することが達成には効果的とされています。つまり、明確な目標を立てることで必要なものや課題が明確になり、努力の方向性が定まるという考え方です。確かに方法論としては正しいのですが、目標を限定してしまうことは達成の選択肢を狭めてしまうことにもなります。要は使いどころが大切ということ。

どうなってゆくのか予測が難しい現状、今現在の状況を基に計画を立てるのはリスクが大きい気がします。来月には無理なことも、再来月には可能になっているかもしれない。先が読めないということは、良くなる可能性も含んでいるわけです。

だからこそ、今の時点でできる最善を行うことが大切だと思うのです。

2021年が終わる時に一年を振り返って「ああ、今年はこんなことをしたな」そう思えたら目的達成です。小さな変化かもしれないけれど、その一歩が後に続く大きな達成へと続く一歩だと信じて。

長い人生、しんどい時はあるものです。上手くいかない時もあるものです。そんな時は何か一つでもいいから行動してみましょう。今は意味が分からなくたって構いません。意味は後から作ればいいのです。

そして最も大切なことは、その変化を自分自身がちゃんと認めること。

その為にも、日々の生活を丁寧に実感を持って、自分の気持ち一つひとつを大切に慈しむように、自分の行動に自覚を持って納得して生きてゆきたいと思います。

そんな私は今年も、相談者の皆さまの人生にほんの少しでもお手伝いができる存在であるよう精いっぱい努力してゆきます。


※名古屋 栄カウンセリングは、2020年12月31日(木)~2021年1月4日(月)の期間でお正月休みを頂きます。
お問い合わせフォームは稼働しておりますが、ご対応は1月4日からとなります。
ご理解頂けますようお願い申し上げます。

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