2015年6月4日木曜日

講師という仕事

私はカウンセラーの資格取得学校の講師をしていますが、今日はある卒業生の方に久しぶりに会いました。
卒業生さんが会いに来てくれることは時折ありまして、少し前にも同じ時期に卒業された方たちが遊びに来てくれていました。
もう卒業されて何年も経つというのに、こうして交友を続けてくれるというのは講師冥利に尽きます。

卒業生さんたちには、今現在心理に携わる方もいれば、別の領域で活躍されている方もいます。
そしてそんな皆さんが言ってくれること
「あの時に学んだことが今こんなことに活かされている」
そう言ってもらえると、まだ未熟ではありますが自分の講義がちゃんと伝わっていたのだなと、胸に来るものがあります。

学びというものは多くがそうですが、その中でも特に『心理』を学ぶというのはなかなかその実感を伴うのが難しいものかもしれません。
心理を学ぶというのはただ知識や技術だけでなく、自身の心と向き合うことが求められます。
心というのは実体の無いものであるがゆえ、答え合わせができるものではないんですね。
だからこそ、一番身近にある自分の心というものが学びの過程では、その変化を如実に感じられる研究対象となります。
しかし同時に、自身の心の変容というのはなかなか自分では自覚しにくいもの。
他者と関わることで、初めて自身の変容に気付かされるものでもあります。

思い出します。
私が心理を学び始めて一年と少しが経った頃、当時の同期にこんな言葉をもらいました。
「タルミくんは変わったよね。今だから言えるけど初めの頃って話しかけにくかったもの。今はとても話しやすい」
当時の私は心理を学ぶことの意味に迷いを感じていた頃でした。
そんな時に言われ、初めて自分が変われいることに気づきました。
そして思わず目頭が熱くなったことがありました。

自分の変化は自分で確かめるものではなく、周囲の人が変化を感じ、それが自然と自分との関わりに反映され、そして初めて確かめられるものなのではと思います。

今まで私が関わらせていただいた多くの卒業生さんたちが、少しでも学びを活かし、自身の人生をより良くしてくれていることを心より望みます。

感謝します。みなさんと出会えたこれまでの全てに。たるみでした。

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