2015年8月19日水曜日

欲求は大切



カウンセリングでは『欲求』というのはとても重要です。
相談者の目的を設定することが大切であるというのは以前にこのブログでも書いたと思います。

「○○ができるようになりたい」
「○○な自分でありたい」
「○○ではなくなりたい」


最後のはやや後ろ向きな欲求ですので、まだもう少し整理して真の欲求を見つける余地ありですが。
なににしろカウンセリングでは相談者の「なりたい」「ありたい」に寄り添いその実現を目指します。

仏教では『欲』を、概ね生理的(本能的)なレベルのものと指しており、精神にとって心をよくしていくもの、愛情を育てるもの、抑制するべきものとして説かれています。

またアメリカの心理学者アブラハム・マズローは、人間の欲求は「生理的欲求」「安全への欲求」「社会的欲求」「自我欲求」「自己実現欲求」の、低次元から高次元までの、5つの階層をなしている、とし、低次元の欲求が満たされて初めて高次元の欲求へと移行する、としています。

『欲求』や『欲望』というと、イメージ的に『欲張り』『強欲』などのネガティブなイメージを連想する方も多く、自身の欲求に対して無自覚に蓋をしてしまうことも珍しくはありません。

しかし、人が生きていくうえで生活体に生理的・心理的な欠乏や不足が生じたとき、それを満たすための行動を起こそうとするのが欲求の原動力ですので、決して無駄なものでも卑しいものでもなく、モチベーションの源ともいえるわけですね。

そして、それを満たそうとするのは、現状をよりよくしたいという向上や変化を求める前向きな気持ちの表れですので、可能な限り否定せずに自らに生まれた欲求は受け止めてあげたいものです。

欲にまみれるのも考え物ですが、基本的には自分を満たしてくれる大事なものです。たるみでした。


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