2020年4月16日木曜日

続く非日常、蓄積するストレス



ここ最近、カウンセリングの開始時には、コロナについて話を振ることが習慣のようになっています。
とはいえそんなかしこまってじゃないですよ、
「毎日の報道はコロナ一色ですね、〇〇さんはどうですか?」
そんなリラックスしてお話して頂く目的の軽い世間話程度です。

3月の頃は、時短勤務やテレワーク推奨など、仕事への物理的な影響の話をされる方がほとんどでした。
ところが4月に入ってからは、
「不安」「気持ちの落ち込み」「怒り」「苛立ち」「焦り」「寂しさ」等が語られることが増えたように感じます。

緊急事態宣言は7都道府県から全国に広がるとのこと。(4/16情報です)
長引くこの状況、メンタルに与える影響が表面化してきているように感じます。

『緊急事態宣言』という物々しい言葉の印象の通り、今は『日常』ではない日々が続いています。
非日常というのはそれだけで我々の心身にストレスを与えます。

現在の状況が要因となるストレスをいくつか挙げてみましょう。

①生活環境の変化・制限
まさに非日常ということですが、普段と違う生活を強いられるというのは思いのほかストレスがかかります。
交通手段一つ使うにしてもウイルスへの対策を意識しなければならないですし、いつもと同じことが同じようにできない状況が続くと、一つひとつは些細なことでも蓄積してしまします。

②精神的なストレス
直接的に実感できるストレスがこれですね。感染への恐怖、仕事への影響への不安、制限された生活への窮屈さ。『自粛疲れ』などもこれに含まれるのではないでしょうか。
仕事に影響している場合は生活の不安も大きなストレスとなるでしょう。

③人とのコミュニケーションの不足
実はこれがとても大きいように感じています。
会社や学校、友達付き合いは、自然にコミュニケーションの場として機能しています。
ちょっとした愚痴吐き、楽しかった出来事を聞いてもらう、八つ当たりで怒りをぶつける、親密な会話でリラックスする、それら何気ない日常のコミュニケーションは日々のストレスを思っている以上に解消することに役立っています。
これはストレス要因というよりも、ストレス解消を阻害する要因と言った方がいいかもしれませんね。
孤独は精神疾患のきっかけのリスク要因として挙げられるものです。

④家族間の距離の変化
学校の休校や在宅勤務により、家族が家にいる時間が増えている事での問題も起きているそうです。
『コロナ離婚』という言葉が生まれるほどだそうで、良い意味で距離を保てていた家族の関係性に良くない影響を与えているケースもあるようですね。
実際当ルームにも、家族や子どもとの接し方の相談も増えています。

ざっと思い付くだけでもこれだけのストレス要因が考えられます。
今は物理的な感染収束が最優先なのは間違いないのですが、心のケアも決して疎かにしてよいものではありません。
そもそも、心身相関で心の健康は体の健康にも必要です。
心が弱まることで身体の免疫機能が低下する懸念もあります。

こんな状況ですが、我慢をするにも限界があります。大きなストレスではなくとも、日々の小さな積み重ねが心を弱らせてしまうことは知られています。
羽を伸ばして外出できないなりに、心を癒せるような方法を見つけ、ストレスを溜めてしまわない心がけが大切です。
例えば、家で美味しいものを食べる、友達と長電話をする、自宅で映画や本を堪能する、などなど。
自分が楽しめると思うこと、ちょっとした贅沢、心に栄養をあげられることをしてこの状況を乗り越えてゆきましょう。


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