2018年8月28日火曜日

危険運転の心理とその対策を心理学的に分析する


最近、危険運転の問題が話題になっています。
いくつかの事件もあり、あおり運転を始め、事故に繋がるような危ない運転の取り締まりが厳しくなっています。

一週間で1200件もの検挙があったそうで、これまであまり表面化されていなかった危険性がやっと問題視されてきたというのは喜ばしいことです。
でも、それだけの数の検挙数を考えると、今までは当たり前と思われていたことが急に厳しい罰則と共に違反になって戸惑っている人も多いのかもしれませんね。
逆にそんなに危ないのにこれまで見過ごされていたというのは恐ろしくあります。

私は愛知県住みです。
良くも悪くも『車の街』として有名ですから、車の話題にはやはり敏感になってしまいます。

昔から『車に乗ると性格が変わる』なんていう人は一定数いました。
何故なのでしょうね。

心理学的に考えるなら、
車に乗って性格が変わるのではなく、普段は抑圧されている性格傾向が車に乗ることで顕在化する。
と言えるのでしょう。

どうして車にはそのような働きがあるのでしょう。

①自分の周囲を車で囲まれることで、守られている気持ちになり、感情のブレーキが緩くなる。
本来人間はプライベートな環境では気持ち自由になり気が大きくなるものです。
『内弁慶』なんてまさにその典型です。
他者がたくさんいる外では周囲に気を使って大人しくても、自室では気兼ねなく我儘に振る舞えるものです。
そのプライベート空間を車が作ってくれているというわけです。
鉄の鎧とでも呼べるような要塞に守られているわけですから、そりゃ安心できるってもんです。
だから、車に乗ると自分が強くなったような気がして、我儘に自己主張ができるというわけです。

②車の運転中は緊張状態にあり、軽い興奮状態にあるということ。
運転をする時は、色々な危険に気を配らなければなりません。
前方との車間を気にして、後ろの車への合図も忘れず、隣の車線の車の動向にも注意する。
それに加えて、目まぐるしく変わる信号や状況に対応する必要があります。
更にいつ人が飛び出してくるかもしれないし、対向車線から車も突っ込んでくるかも……。
そんな危険な環境に身を置くとき、人は自覚はなくともストレス状態にあります。
人はストレス状態に陥ると、防衛手段として好戦的な精神状態になります。
これを緊急反応といいます。
なので、些細な事でイライラしたりしてしまうんですね。

これらの心理的要因が、危険運転に繋がります。
では、どうすればよいのでしょうか。

確かに、危険運転に落ちりやすい要因はありますが、それでも人には理性がありますし、そう簡単にタガは外れません。
しかし、ストレスや欲求など抑圧して溜めこんでいるものが大きければ大きいほど、理性を吹き飛ばしてしまうほどの大きな力となります。
つまり、車を運転する時の心理的要因という刺激を受けて、抑圧しているイライラや不満などが大暴れしてしまうという事です。

ならば答えは簡単。
イライラや不満などのストレスを溜めないことです。
多少刺激をされても、コントロール不能になってしまうほど大きく溜めこまなければ、落ち着いて安定した気持ちで運転ができるはずです。

「車に乗ると性格が荒くなってイライラしてしまう」
そんな心当たりがあるなら、おそらく自分では自覚していない、むしろできていない深い所で日頃ストレスを感じて我慢をしてしまっているのかもしれません。

ストレスは溜めてもいいことはないですよ。
現代社会、ストレスフリーな生活なんて無理かもしれませんが、出来る範囲で処理したり軽減することは、自分や周囲を守るために必要なことです。

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