2016年2月18日木曜日

働かないアリ


最近、昆虫のアリについてこのような研究結果が世に出されたそうです。

コロニー(集団)の中に必ず2〜3割いる働かない働きアリは、他のアリが疲れて動けなくなったときに代わりに仕事をし、集団の長期存続に不可欠だとの研究成果を、北海道大などの研究チームが16日、英科学誌「サイエンティフィック・リポーツ」に発表した。
これまでの研究で、働くアリだけのグループを作っても、必ず働かないアリが一定割合現れることが確認されている。仕事をする上では非効率な存在で、働かないアリがいることが謎だった。


以下は要約ですが、
 自然界では、働きアリが全て同時に働かなくなると、コロニーが滅びてしまう。最初よく働いていたアリが休むようになると、働かなかった アリが動き始めることを確認した。

 さらに、コンピューターシミュレーションで、全てのアリが同じようによく働く、勤勉なアリだけのケースでは一斉に疲労で動けなくなってコロニーが滅びてしまうのが早く、働かないアリがいる方が長続きする傾向 があった。

ということだそうです。
この結果を受けて、「働かないアリを常駐させる非効率的なシステムがコロニーの存続に欠かせない。人間の組織でも短期 的な効率や成果を求めると悪影響が出ることがあり、組織を長期的な視点で運営することの重要性を示唆する結果ではないか」と話す。

つまり、働きアリも疲れてしまう。全員が常に勤勉だと一斉に疲労が溜まって長期的な働きには非合理的であると。順番に休憩を交代することで長期間の労働が可能になる。
そしてこれは人間社会にもヒントとなるのではないか。
そんな理解でいいのではないでしょうか。

よく『日本人は働き過ぎ』と言われます。
欧米ではバカンスとして上手に休みと仕事を両立させているようですが、
休むことがあまり良いとされない風潮がある日本。疲労や行き詰まりを感じつつも無理をして働き続けた経験に覚えのある方もいるのではないでしょうか。

うつ状態には、休息が必要とされています。
それは肉体的にも精神的にも。
しかし、私が関わってきたうつを症状として持たれる方たちには、
「休んでいちゃいけない」
「サボっちゃいけない」
「怠けてしまっている」


そんな焦りを感じて、休息を有効に活用できていない方も少なくありませんでした。
実力を発揮するには、適度な休息は必要ですし、
行き過ぎてしまった疲労には、まとまった休息も必要です。

それが、次の一歩へ踏み出すための大事な過程とするために。

休むことも仕事。たるみでした。


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