2022年5月2日月曜日

マスク社会におけるコミュニケーションの難しさ



5月に入りました。世間はゴールデンウィークですね。

特に今年は数年ぶりの行動規制なしの大型連休ということで、各地が賑わっているようです。
感染症対策を図りながらの行楽という、ある意味相反するものではありますが今後はこういったことにも慣れていき少しずつ日常にシフトしていく必要もあるのでしょうね。

そんな中で一つの課題となってゆくのだろうなと感じているのが『マスクトラブル』です。 
要するにマスクを着用するか否かという対立なのですが、これが結構難しいなと思います。
そもそも、唯一の正解がないわけですから。

識者によっても推奨派と非推奨派が居て、更にその条件も様々に説があるのが現状です。
統一された常識がない状態というのは、どうしてもトラブルが起きやすくなってしまいます。

例えば、人間社会で生きている以上は法律を遵守しなければ罰則を受けるという絶対的なルールがあります。とても単純明快でわかりやすい。
法律の不備などの問題点はあるものの、法の存在というのは明確な正義と悪が決めやすく、意見の対立が起きた場合でも法という判断基準が対立をシンプルな構造にしてくれます。

しかし昨今のマスク事情は、都道府県等による呼びかけはあってもそれはあくまでもお願いであり強制力はありません。
その結果、個人の意思や解釈という曖昧さが生まれてしまいます。
お互いに「これが正しい、自分が正義だ」と思うわけですから、明確な善悪がなくどちらかが譲らない限りこの対立は終わってくれません。
そしてこれは、現代のマスク事情で表面化しやすくなりましたが、実はコミュニケーションの本質でもあります。

法に定められていないルールや常識はあくまで個人の主義主張であり、他者と共有できないものも日常に多く存在します。
暗黙の常識という不文律なルールは多々ありますが、それもやはり万人に共通のものではなく、同調圧力による強制という非常に曖昧な位置付けとなってしまいます。

コミュニケーションって難しいですよね。
自分にとっては正しいことでも他者にとっては悪とされることかもしれない。
そこで必要になるのが『譲り合い』や『落としどころ』というこれまた曖昧なものです。
相手や状況、立ち位置によって柔軟に、その都度変化する正解を見つけてゆかなければならない。
特に発達障害の一部の症状では、そういった柔軟性や共感性を必要とする対人的相互関係を築くことが上手くできずに社会生活の生き辛さを感じる方も多くいます。

大切なのは、自分と相手は同じ主義主張・感情ではない、ということを知ることです。
自分にとっては正義でも他者はまた別の正義を持っていて、齟齬があることを前提に、相手を理解しようとしたり自分を理解してもらおうとする努力が必要だということ。
自分の主義主張を他者に強制するという行為は、衝突や対立などのトラブルが起きるリスクを自覚すること。
つまり、社会という枠組みの中で生きている以上、自分目線だけで他者への配慮が足りないとトラブルになってしまいますよ、ということですね。

それを意識して他者と関わることで、自分の行動に責任を持って判断することができるのではないかと思います。
他者と関わるという意味をしっかり意識して、無用なトラブルが起きないようにしてゆきたいものです。

※ちなみに当ルームでは現在、利用者様の安心・安全を保つことも運営管理者の責任として、カウンセラー・クライエント共にマスク着用を許容頂けることをご予約の条件としております。色々なお考えをお持ちの方もいるかと思われますが、当ルームのご利用の際におきましては何卒ご理解頂けますようお願い致します。


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