2019年1月8日火曜日

明確化という技術



心理カウンセリングの傾聴技術の中に『明確化』という技法があります。
どのような技術かというと、
相談者自身が語っていない事柄をカウンセラーが明らかにしてゆく。
というもので、例えば
「ああ、あなたは幸せそうでいいよね」
という言葉には、自分の不幸せを嘆いている気持ちが隠されている。だからそれを明らかにしようというものです。
この明確化という技術、基本技術の一つとされています。

実は私、この技術あまり好きではないんですよね。
だって、相談者からすると語ってもいないことを決めつけられるようで、あまりいい気持にはならないのではないかと思います。
所謂『分析』的なアプローチというもの全般がそうなのかもしれません。
確かに本人にも気づいていない本心や隠された感情を第三者である我々カウンセラーが読み取ることは可能です。
ですがそれは、超能力的なものではなく経験と知識によっての見立てですので、ある意味ただの予想の域を超えません。
それに、本人が語らないということは、まだ語るべきタイミングでないのか、それともカウンセラーとの信頼が構築できていないかでしょうから、確信のない予想を伝えるリスクだってあります。
もちろん時と場合によって、それを伝えることが意味があると行う時もありますけどね。
まぁなんというか『明確化』ってとても治療的には有効な技法なのですが、使いどころを間違えると逆効果にもなりかねない技術だと思います。

でも、必要な『明確化』もあります。
それは、『問題の明確化』や『解決の明確化』。
悩みの内容の整理や、悩みを生み出している原因の特定などが『問題の明確化』。
相談者にとっての悩みの解決とは、何がどのようになることかを目指すべきゴール像としてはっきりとした形にするのが『ゴールの明確化』。

どちらも、語られていないことを暴くようなものではなく、カウンセラーと相談者が二人で話して明らかになったことを確かめ合う作業です
これはとても大切だと考えます。

だって、
「仕事が辛くて悩んでいます」
という問題だって、何を辛いと感じているか、どうなることが幸せかなんて人それぞれです。
「よし、こうすれば仕事が辛くなくなるよ」
なんて的外れなアドバイスは何の役に立たないかもしれません。

だから、その人にとっての問題とは何か、理想の解決像とは何かを明確にする必要があるんです。
最適なアドバイスや援助をするために。

辛い真実や見たくない現実を明確にするのではなく、
今ここで起きていることを明確にして、何をすれば幸せになれるのかを明確にする。
その方が、悩みの解決に近い気がします。


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