2020年1月16日木曜日

性格を変える


カウンセリングでの相談内容は多種多様あるのですが、表面的なテーマとしては人間関係や自身の生き辛さなどを挙げる方が多く、そういったテーマを通しては、『性格傾向』というものが相談者さんから語られることが少なくありません。
つまり、「自分のこういう性格を変えたい」などが多いですかね。

性格傾向というものは心理学でも研究されてきています。
見た目や先天的特徴で性格傾向をいくつかの典型例に分類する方法(血液型占いとかこれですね)や、
特徴的な行動によって性格傾向を特性として分類する方法などが代表的ですね。

さて、日常的にも「私ってこういう性格だしー」などと当たり前のように言われていますが、その人特有の性格というものはあるのでしょうか、
そしてそれは持って生まれたもので、変えることはできないのでしょうか。

※本来なら『性質』『気質』『人格』などの違いもありますが、ここでは一般的に使用される『性格』全般として語ってゆきます。

まず、生まれ持った性格というものがあるとするなら、それは遺伝子によって決められているということです。
そこで、性格の実験として興味深いものとして、双生児での研究があります。
遺伝子が性格を作っているというのなら、一卵性双生児は同じ性格になるはずです。遺伝子が同一ですからね。
しかし実験の結果、遺伝子の違う二卵性双生児と比べたところ、あまり性格の差は見られなかったそうです。
その実験から、遺伝情報(生まれつき)よりも、育った環境が大きく性格形成には影響を与えるということがわかりました。

やはり性格は『遺伝要因』と『環境要因』が相互的に影響をし合っていると考えられます。
遺伝的要因はあくまで『潜在的な要因』であり、多少の出やすさ・出にくさはあれども、育つ環境によって性格は作られてゆくということですかね。
そう考えると、家庭環境や親の接し方の重大さが改めて実感できます。

もちろん家庭環境以外にも、社会的・文化的な要因だって性格形成には大きく影響を及ぼすでしょう。
幼稚園や小学校など集団生活に参加して以降は、特に友人等周囲の影響を受けての行動が増えますしね。
それら様々な要因がその人の性格傾向を作っているといえるのでしょう。

ではそんな性格傾向を変えることができるのか?ということですが。
ここまでの話で、
性格を作る要因には生まれつきもあるけど、環境の影響だってかなり大きそうだ。
ということがわかりました。

なら、性格を変えることは可能ということでしょう。
環境によって形成されたのなら、環境によって修正・変容が可能ということ。
環境というと抽象的ですが、我々は環境によって与えられるものを体験・経験として受け取ります。
過ぎた経験や足りない経験の結果に得た性格ならば、
新たな経験で塗り替えれば新たな性格も得ることができる、とやや乱暴ですが言えます。

例えば、虐待やいじめの経験で自身の存在や価値を認められない性格傾向ならば、
大切にされたり信頼し合える人間関係を経験することで、新たな性格を得ることができる、ということです。

カウンセリングでは、そのようなアプローチも性格変容の一つとしてご提案することもあります。
あくまでアプローチの一つですし、私の個人的スタンスや解釈なども入っているので、必ず正しい方法!というわけではないので誤解しないでくださいね。
ただ、自分の『性格』というものによって悩んでいることがあるなら、心理学ではちゃんと専門的に扱うことができるのでご安心くださいね、ということです。
性格を変えなくても、捉え方を変えたり、悩みを作っている環境を変える方法を考えたりと、できることはきっとたくさんあります。

解決方法は一つではないし、解決そのものだって一つだけではない場合もあります。
まずは考え過ぎて抱え込んでしまわず、柔軟に取り組むことが解決の近道です。


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