2016年9月14日水曜日

続・カウンセリングの成功と失敗



昨日あげた記事→『カウンセリングの成功と失敗』
自分でも予想外な反響をいただいています。

ブログの更新をお知らせしているフェイスブックでも数人の方からコメントをいただきましたし、
今日私のルームにトレーニングに来られたカウンセラーさんからも、
「とても大切なことに気づかされました」という感想をいただきました。

やはり、カウンセリングを学んだ方だからこそ感じる、
カウンセリングの難しさと本質に触れる話題だったのか、と私自身遅まきながら再認識しました。

そこで、近い話題についてもう少し。
これは私自身の現場での経験なのですが、

『クライエントさんに解決策を与える』

そんなアプローチについての話を。
解決策を与えるというのはわかりやすく言えば、

「悩みがどうやったら解決するか教えてください」

そんなクライエントさんからの希望に対して、

「こうすれば解決しますよ」

と単純に正解をお伝えするという場面だと思ってください。

一見とても有能なカウンセラーの対応だと思われるかもしれませんし、
実際クライエントさんはそんな対応を望まれる方も多くいらっしゃいます。

しかし、私は極力そのように、直接的に答えを伝えるというアプローチを避けます。
なぜでしょうか。
答えは簡単。あまり意味がないからです。

一方的に与えた解決策は、あくまで第三者である我々カウンセラーが、自分の価値観や経験から導き出したものでしかありません。
お悩みを聞いたとはいえ、第三者が思いつく程度の解決法なら、カウンセリングに来なくてもいつかは見つけられる解決法であることが多いです。

クライエントさんの周囲にも、アドバイスをしてくれる方はいるでしょうし、本を読めば大概の解決法は載っていますしね。

それに、他人から言われたことを真面目に取り組むのは結構難しいんですね。
私も今までの現場の経験で、「こうすればいいんですよ」と模範的な正解例を伝えたこともあります。
しかし、次回のカウンセリングまでにそれを実行し続けてくれる人は、とても少なかった印象を持っています。

それもそのはず、他人から与えられた解答は、どこまでいっても他人の意見。
参考にこそなれ、本心からやる気を出して取り組む程には気持ちが乗らないのでしょうね。

やはり、本気で取り組もうという気持ちが発揮できるのは、
本人が自分で思いつき、納得して、「これだ!」と思ったものしかないのでしょう。

だからこそ、我々カウンセラーは安易に答えを与えません。

クライエントさんの気持ちを、状況をしっかりと受け止め、
そのうえで、抱えている問題や悩みに対する『想い』に気づいてもらい、
そうして初めて、『どうなりたい』 『こうしたい』 という本気の素直な願いが表現されます。

クライエントさん本人が、『本気で素直に願った解決』であれば、それに至るための努力や行動は、本人も信じられないほどの力を発揮します。

カウンセラーが出来ることなんて、
クライエントさんの、そんな力を引き出すこと。

そして、その力をより効率的に、効果的に活かすための専門知識を持ってサポートする。
それだけなのだと思います。

どれだけ完成度の高い心理療法を使えるカウンセラーだとしても、
クライエントさんの『本気の素直な願い』が引き出せないならその本領発揮は難しいでしょう。

そういった意味でも、やはり『クライエントセンター(クライエントを中心に)』のカウンセリングが最も効果的だと私は信じています。

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