2015年7月25日土曜日

御用だ誤用だ!



 
『グッド!モーニング』という番組内に、東進ハイスクールの講師で有名な林修先生のコーナーがありまして。
昨日の23日の『文の日』にちなんだ問題が出題されていました。

『筆が立つ』という慣用句の意味は?

というものだったのですが。
この言葉、正解は『文章が上手』という意味なのですが、
『字が上手』という意味だと勘違いしている人も多いそうです。

日本語の慣用句というのは意味が間違えられたまま浸透してしまうということがよくあるようですね。
有名なところを挙げてみます。○が正しい意味で、×がよくある誤用です。

『役不足』
例:「この仕事はあなたには役不足です」
○能力に対して、役目が軽すぎること。
×役目を果たすだけの力量がないこと。(力不足)

『穿った見方』
例:「あなたは穿ったものの見方をするね」
○物事の本質を捉えた見方をする。
×疑って掛かる見方をする。

『世間ずれ』
例:「あの人は世間ずれしている人だ」
○世の中を渡ってきてずる賢くなっている
×世間の常識から外れている。

『煮詰まる』
例:「考えが煮詰まった」
○(議論や意見が十分に出尽くして)結論の出る状態になること。
☓(議論が行き詰まってしまって)結論が出せない状態になること。

『さわり』
例:「この本のさわりだけ言う」
○話などの要点のこと。
☓話などの最初の部分のこと。

『気が置けない』
例:「彼は気の置けない友人です」
○気遣いする必要がない。遠慮がない。
×気を許せない。

『情けは人の為ならず』
例:「情けは人の為ならず。手伝いましょう」
○情けを人にかけておけば、巡り巡って自分によい報いが来るということ。
×情けをかけるのはその人のためにならないから厳しくするべきだ。

いかがでしたか。割とメジャーなものを紹介してみましたが、
「えっ、そうだったの?」
なんて慣用句の一つくらいはあったのではないでしょうか。

この誤用の面白いところは、間違って使われて定着していくうちにその用法が正式なものになっていくということ。
つまり、100人のうち90人が間違えていれば、それはもう誤用が正しい意味に置き換わってしまうということです。

『憮然(ぶぜん)とした表情』とは本来は「失望してぼんやりとしている様子」だったのですが、誤用されていくうちに近年では「腹を立てている様子」の方が市民権を得ているそうです。
『姑息』や『的を射る』なども今はどちらの意味でも使えるそうですね。

嘘から出たまこととは少し違うかもしれませんが、
常識や正解は時代の流れやその時流によっても変化していくというのは面白いな、と改めて思います。

子供の頃「汚職事件」を「お食事券」だと思っていました。たるみでした。


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