2015年5月7日木曜日

漫画は悪影響?

今日はとても個人的な内容にしようと思います。
昨日の記事で『非現実』に惹かれるという文章を書いてから、自分の中に『非現実』に対する想いのようなものが湧いてきたんです。そうして今日のこの記事へと続きます。

まず大前提として、私は『漫画』が好きなんですね。
漫画だけではないですよ。『小説』『映画』『アニメ』『ゲーム』なんでも好きです。
つまりは創作物というものが総じて好きです。
そういった意味でいうと『怪談』『都市伝説』『超常現象』なども好きです。
(実在か否かというものを楽しむ側面もあるので創作物としてカテゴライズしてしまうのは異論のある方もいるでしょうが、現実だったら怖くてお断りしたいということで創作物として捉えました)

これまでの人生で沢山の創作物に触れてきました。
今の私の信念や生きる上でのモノサシを作る上で、それらは大きな影響を与えていると自分でも感じています。

ですので今日のこの話はあくまで私の個人的な考え方であることを始めにお断りしておきます。

「漫画ばかり読んでいるとバカになるよ」
「『漫画』ばかりでなく『本』を読みなさい」

そんな言葉を言われたこと、言ったことありませんか?

幸い私の親は寛大でして、言われたことはないのですがそんな教育方針を時折耳にします。
果たしてそうなのでしょうか?
『漫画』と『本』の違いはあるのでしょうか?
この場合の『本』とは主に『小説』などの文字主体のものとして語ります。

小説は文字なので情景をイメージする事ができるのに対し、漫画は視覚的イメージも与えられているので考えずに見るだけになってしまう。
そんな意見もあるかと思いますが、そもそもその考え方が創作物の受け取り方として偏っている気がします。

創作物の目的は、『物語』を読み手に伝えること
その手段として、文字によるのか絵を伴うのか、またはゲームのように自身を投影させるのか、なのではないでしょうか。絵が伴うことで初めて伝えられる作者のメッセージもあるのではないでしょうか。

脳のトレーニングとしてしか創作物を捉えないのではなく、
大切なのは『物語のテーマ』を受け止めて、『読み解く』こと。
そしてそれを自分がどのように消化するかは個人の自由に委ねられる。
それこそが創作物の楽しみ方なのではないでしょうか。

最近の風潮ですが、世間で常識を逸脱した事件が起こると「マンガやゲームの影響」というレッテルをよく見ます。
もう5年以上前になりますが、未成年の少年少女が斧やナイフで家族を殺すというショッキングな事件があり、その時もあるゲームが矢面に立たされたことがありました。

実は私もその問題となったゲームのファンでした。
たしかにそのゲームには陰惨で残酷な描写があります。しかしそれは決して、そのような行為を推奨するものではなく、逆に愚かさや教訓としての出来事であり、
物語のテーマは『仲間の絆』『立ち向かう勇気』の大切さを描いた物語であったと私は受け取りました。

もちろん多数ある物語の中には擁護できないような悪意を持ったものもあるのでしょう。
しかし、一部分を切り取ってその作品自体を歪曲して解釈してしまうのは、創作物の存在自体を否定することに繋がるのではないかと懸念します。

しかし気をつけなければならないこともあります。それは、その物語のテーマの受け取り方が自由ということ。
まだ未発達な子どもたちが物語のテーマを正しく受け止められる確証はありません。
ではどうすればいいのか。
それは我々大人が、子どもたちを正しく導くこと。

取り上げるのではなく、押し付けるのではなく、良いものも悪いものも両方を取り入れる子どもに、善悪を判断することを教えることが心の成長には必要なのではないでしょうか。

子どもにとって物語の影響は少なくはないでしょう。しかし、それ以上に親の影響は強いのです。
ならば親が、我々大人がどのような影響を与えているのかを、しっかり自覚して生きていく事こそが大切なのではないでしょうか。

心理学の『脚本分析』という理論では、人生をひとつの舞台とみなし、個人が知らず知らずのうちに演じてしまう人生の脚本を人生脚本と呼びます。それは幼少期の主に親との経験により作られていくのですが、人は自分のもつ人生脚本に似た物語を好むとも言われています。
自分の好きな物語を思い出してみてください。
そしてその物語が自分の何に触れるのか、どこが自分の胸を打つのかを解き明かしてみると、自分の人生観やルーツが見えてくるかもしれません。

この年齢になっても日々好きな漫画が増えるたるみでした。


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