2016年5月8日日曜日

母の日という事で『毒親』について


今日5月8日は母の日ですね。
由来や起源はいろいろありますが、日本ではとりあえず母親に日頃の感謝を伝える日という事で広まっています。
カウンセリングという仕事をしていると、『母親』というワードが出てくる機会が大変多いと感じます。
特に最近では『毒親』なる造語があり、一般の方も使いやすくなっている印象があります。

毒親とは、アメリカの心理学者の『毒になる親』という本から出た言葉でして、意味としては
子供にとって毒のような影響を与える親。ということで、子供の人生を支配しようとしたり虐待などによって人生を左右するような影響を及ぼす親のことを指します。

実際、親の影響というのは子供にとってとても大きいもので、更に子供のころの経験は成長し大人になってからもその人の人生において、大きな影響を持つというのは心理学の色々な理論で説明されています。
単純に考えても、子供の頃というのは誰かの庇護がなければ生きてゆくことができません。その"誰か"というのは多くの場合親という存在であり、その親の持つ価値観や倫理観によって養育されるのですから、影響の大きさは納得できます。
そして、人格は子供のころから徐々に成長にしたがって作られていくものですので、子供の頃の親との関係性というのは将来の人間関係の土台ともなります。

私は子育てサークルなどのセミナーや勉強会にも講師として呼んでいただく機会もあるのですが、
「今のあなたの子供との関わり方がその子供の一生に関わりますよ」
という旨のことを伝えると、参加者のお母さま方の顔色がぐっと引き締まるのを感じます。

と、ここまでは親の影響力についての大きさを語りました。
この考え方だと、
「じゃあ悪い親に育てられたらもう人生諦めるしかないのか」
と思ってしまいがちですが、そんなことはありません。

あくまで、子供のころの経験がのちの人格形成に影響を及ぼすと言っても、修正不可能なわけではありません。
成長してから、性格傾向や価値観を変えることだって、本人の意思と努力、適切なフォローがあれば可能です。
そして、子供の頃の影響力は親にだけあるわけではなく、親戚や友人、学校の先生などとも人間関係を築いていたはずです。
親の影響は大きいのは間違いありませんが、
影響を与えるのは親だけではないし、
与えられた影響は修正することだって可能なのです。

私がカウンセリングの中でこれまで何度も経験してきたことで、
親に対してのネガティブな感情(怒りや恨みや不信感など)を持つことで不具合を感じてきた方が、
カウンセリングを通して自分自身と向き合うことを勇気を持って行った結果、
親に対する新しい感情を見つけ出すという事があります。

子供が間違っているとは言いません。
しかし、子供の頃はそう感じていたことが、
大人になり、子供の頃よりも見識も視野も広がり成長した今の自分だからこそ見えてくるものというものもあるという事なのでしょう。

「そうか、あの時の親はこういう気持ちで自分に接していたのだな」
子供の頃の思い出に対して、そんな風に気付くことが最近多くなってきました。


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