2015年8月17日月曜日

信頼関係を築く



妻の実家には犬がいます。
私は無類の犬好きでして、街を歩いていても散歩中の犬とすれ違うだけで自然と笑顔になってしまうほどです。
そんな私ですから、妻の実家の犬とも仲良くしたいという気持ちは大いにあるのですが、
残念ながらその犬は私には懐いてくれていません。

というのも、実はその犬は愛護センターから引き取られて来た子でして。
まだ子犬の頃に野良をしている時によほど怖い思いしたのでしょう、とても臆病な性格なのです。
人間に対してだけでなく音にも敏感で、この時期は遠くで聞こえる花火の音にも戦々恐々な毎日だそうです。

そんな臆病な性格ですので、これまで馴染みのない私が急に家族面をしてもなかなか心を許してはくれません。
妻の家族や妻に対しては、臆病な様子は垣間見えるものの、特に義父には全幅の信頼を寄せているようです。
ですから、いくら私が犬好きだとしてもまだまだ出会ってからの積み重ねによる信頼が足りないのでしょう。

ラポールという言葉があります。
これは臨床心理学の用語で、カウンセラーと相談者の間の信頼関係の事を指します。

カウンセリングを行ううえで、まず始めに行うべきことがラポールの形成です。
要するに、カウンセラーのことを信頼してもらい、安心して話してもらうための環境づくりと考えていただければいいでしょう。

カウンセリングは表面的な理解や信頼関係だけでは成り立ちません。
相談者からすると、自分の重大な悩みや、心の奥底を語るには、深い信頼の置ける相手でないと難しいでしょう。
そして本音で語れない関係性ではカウンセリングを効果的に進めることもまた難しくなるでしょう。

ですから、どれだけ卓越した技術や知識があっても、相談者と信頼関係を築くことに無頓着なカウンセラーは本当の意味で相談者の求めるカウンセリングを提供することはできません。
相談者の本音に寄り添える存在となることがスタートラインといえます。

妻の実家の犬とも着々と信頼関係は築きつつあります。
ファーストコンタクトの時は、小屋の中から出てくることもせずただただ吠えられました。

二度目はやはり吠えられましたが、お土産に持っていった犬用のおやつを食べてくれました。ただし、小屋からは出てきてくれなかったので、近くに置いて私が離れると、小屋から出て食べてすぐに小屋に戻ってしまいました。

三度目は近寄らなければ吠えずに、警戒した表情で私を見張っていました。はじめておやつを手から直接食べてくれました。

四度目は義父の助けもありはじめて触れられました。しかしやはり近寄ると逃げて小屋にこもってしまいます。

そして先日は、吠えなくなり、近づいても小屋に逃げ込まず、ある程度の距離をとって近くに座ってくれました。それ以上近づくと逃げてしまうんですけどね。

不信感や恐怖があって警戒するのは当然でしょう。
これからも急がず焦らず、少しずつ信用してもらおうと持っています。
方法はただ一つ。相手を愛しく思う気持ちを伴い、それを正直に伝える。
私は君の敵じゃないよ、仲良くしたいんだ。
ただその気持ちを、飾らずまっすぐに伝えるだけです。
いつか私の気持ちが伝わり、彼が望んで私に懐いてくれる日を願っています。

言葉が通じない分気持ちが大事。たるみでした。


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